文章表現Uクラス  友人についてー引用して意見を述べるー
  

友人

 

アジア史  蔡 秀美(台湾)

 

人間は助け合わなければ生きられない社会的動物である。永遠に人の群れと離

て一人暮らせる人間はいない。孤独感を味わった近代中国における有名な作家、


愛玲女史と言えども、社会からまったく離れきれなかった。張氏は晩年に人の
群れに

恐れを抱いて、大多数の家族や友達との連絡を絶って、米国で一人暮らし、
死の数週

間後、彼女の遺体が発見された。このように孤独な死を迎えた張氏にさ
え一生の親

友、宋淇氏がいた。張氏の死後、宋淇氏は張氏の遺作を編集して出版
することに専念

している。

『十訓抄』には「人は善友にあはむ事をこひねがふべきなり」と書かれている。また、

室鳩巣も「人は明師良友に遇はざるを患ふるのみ」と述べている。以上の
名句では益

友を持つことが人間の心の中にある強い欲望だと指摘されている。幸
せな人生に、友

人特に益友は欠かせない要素だと言えよう。

さて、益友とはいったい何を意味するか。伊勢貞丈はよい友人について、「友

は、相互に遠慮なく、悪き事をば、悪きよしを言ひて異見をして、悪き事を改
むべし。こ

れ相互に友だちの慈悲なり」と表現している。友だちの悪いことを無
理に我慢せず、友

だちのために悪いところをはっきり指摘できる人こそ、真の益
友である。友人は明るい

鏡のように、私たち自分自身の悪いことを映して、さら
に私たちの人格と学識の成長を

促す。

一般的に言えば、真心をこめて人に接して、相互に尊重さえすれば、簡単にすぐに

相手と友人になれる。しかし、益友にめぐり合うことは容易ならぬことであ
る。国木田独

歩が指摘しているように、「友を得るに急なる勿れ。親友は自然に
得る者なり」。親友と

めぐり合えるか否かについては、縁に頼るしかない。