読解Ⅱクラス  国際共通語
 

国際共通語および国際交流

 

社会心理学  翟  一達(中国)

 

先進的な交通機関や通信手段のおかげで、各国に住んでいる人間は昔より相互

交流の機会が増えてきたが、国際交流における、いろいろな問題も出てきてしまった。

その中で顕著な問題の1つは、各国の言語が互いに通じず、国際交流がスムーズに

いかないということである。さらに、意思疎通のために外国語を勉強するのに時間がか

かりすぎて、人生の無駄だと指摘されてもいる。このような状況を改善するために、国

際共通語を普及させようという主張がなされたようである。

しかし、国際共通語が問題の解決策ではないと思われる。その理由は二つある。

つ目は、現在、もっとも普及している言語は英語だが、英語を国際共通語とするのは

適当ではないと思えるからだ。どうしても英語の母語話者が有利な地位になる。日本

人が日本語を学ばず、中国人も中国語を学ばずに、世界中の人間が皆英語を学ぶと

いうのもおかしいではないか。文化のエッセンスである母語を失うと、アイデンティティも

なくなってしまうだろう。二つ目は中立的な言語として、エスペラント語があるが、中立

的な言語ではなかなか普及しないことである。なぜかというと、言語は文化と深く関連

があって、簡単なシンボルではないからで、文化を支える力がないエスペラント語が普

及しえないのは当前である。国際共通語を主張する人々は効率社会から深い影響を

受けているようで、彼らの判断の基準は1つしかない。すなわち効率である。国際共通

語を支持する理由も効率が上がるということである。どうして多様な言語を統一しなけ

ればいけないのか。人間の言語習得はロボットの情報処理とは違うはずだ。

国際交流を推進する鍵は国際共通語ではなく、異文化コミュニケーションの能力を

育成することだと思う。異文化コミュニケーションがうまくいくと、世界の平和や個人の

福祉にも役立つと思う。異文化リテラシーを身に付けるというのは、一方的に自分のこ

とばかり話していることではない。国際交流の中で一番大切なのは「広い心」である。

「広い心」には親切な態度や相手を尊敬する気持ちも含まれる。

すなわち、言語能力が異文化交流を成功させる十分条件ではないと思う。歴史の中

には、言語が上手であっても、異文化交流がうまくいかずに、喧嘩になってしまった事

例がたくさんある。その大きな原因の1つは異文化コミュニケーションの能力がなかっ

たことだと思う。例えば、相手を見下したり、冷たい態度で付き合ったり、偏見を持つな

どである。さらに、自分の考えがすべて正しいと思いんで、相手を尊敬しないことも

原因の1つだと思う。そのために国際交流が失敗してしまった例の中に、外国語の上

手な人がいくらでもいる。これを見ると、国際共通語は決して国際交流の推進の中心

ではないと思える。国際交流のポイントは互いに相手の意見を聞き、尊重しあい、相談

しあうことである。