ワークショップ感想

2010年11月26日(月)午後6時〜午後8時20分
コミュニケーション・プラザ北館2階音楽実習室(駒場)
朗読:多和田葉子、ピアノ:高瀬アキ
主催:東京大学大学院 総合文化研究科 表象文化論研究室
東京大学文学部 現代文芸論研究室
協力:SETENV


多和田さんと高瀬さんの詩の朗読とピアノ
 作家の多和田葉子さんとピアニストの高瀬アキさんをお招きしたイヴェント「言葉と音のパフォーマンス+ワークショップ」が、去る11月26日に駒場キャンパスにて開催されました。
 イヴェントは二部構成で、前半に多和田さんと高瀬さんによる詩の朗読とピアノ演奏のパフォーマンスがあり、後半のワークショップではその中からいくつかの作品を参加者が自ら演じる機会が設けられました。数グループの参加者が二人一組となって、詩を朗読しながらテーブルを叩く・手拍子・膝を打つなど何らかの「音」を発してリズムをとる、一人が自由に朗読しもう一人が即興でピアノの伴奏をつけるなどの課題に挑戦しました。
 ワークショップで採り上げられた多和田さんの詩はどれもテンポやリズム感が大きな要素を占めるものでした。パフォーマンスではお二人の息の合った自由自在な掛け合いぶりを満喫できましたが、ワークショップではどのペアも全身で集中して即興演技に臨み、会場が独特の緊張感と高揚感に包まれました。互いの演技に対して頭で考えるというよりも体でほぼ即座に反応し、そこから詩の新たなイメージが湧き出てくるというスリリングなやりとりを、観衆も大いに楽しみました。
 なお、この度のイヴェントは現代文芸論研究室と表象文化論研究室の共催で行われたものでした。普段接点の少ない現代文芸論の学生のみなさんとの交流の機会を得ることができた点についても、深く感謝したいと思います。

適当に選んだ言葉に合わせて机を叩いてリズムを取る(左・中央)。詩の朗読に合わせてピアノを鳴らす(右)。

(澤本ふみ 表象文化論)