IWL(世界文学研究所)2020年度夏期ベオグラード・セッションのお知らせ

 ハーバード大学のデイヴィッド・ダムロッシュ教授が主宰するIWL(Institute for World Literature、世界文学研究所)の夏期集中セミナーは、毎年場所を変えて、4週間にわたり世界各地の大学で行われてきましたが(2018年には東京大学で開催されました)、本年度はベオグラード大学がホストとなって、7月4日~30日まで期間に行われます。これまでの実績では、毎年、世界20~30カ国から、100~150名の若手を中心とした様々な分野の文学研究者が参加してきました。対象は大学院生以上で、博士号を持った大学教員も歓迎されます。大学教員の場合は、前半か後半だけ2週間の参加も認められます。なお、使用言語はすべてのイベントにつき原則として英語のみとなります。

 この枠内で、現代の世界文学の様々な分野を専門とする気鋭の研究者が率いる2週間の集中セミナーが総計12行われ、参加者は前半2週間、後半2週間一つずつ、計二つのセミナーに参加するほか、関心の近い参加者のグループによって組織される研究発表会(コロキア)、著名なゲストによる特別講演など、盛りだくさんのプログラムを通じて、現代の世界文学研究の最前線のシャワーを浴びることができます。 本年度の申込締め切りは、2月1日です。プログラムの詳細は以下のウェブページで見ることができ、申し込みもこのページからすべてオンラインで行えます。

2020年度のプログラム概観 https://iwl.fas.harvard.edu/2020-program-overview
申込方法 https://iwl.fas.harvard.edu/pages/apply

 詳細はすべてウェブージに詳しく書いてある通りですが、申し込みには、これまでに書いた論文などのサンプル(長さや内容は問わない。ただし英語に限る)、博士号取得者の場合は学位記の写し、そうでない場合は大学院の成績証明書、CV (履歴・業績表)、推薦状が必要になります。参加者の決定に際しては、これらの書類に基づいた審査が行われます。

 今年のベオグラード・セッションの講師は、例年と同様多彩で魅力的な顔ぶれがそろっています。所長のDavid Damrosch, これまで常にIWの運営の中心として活躍してきたルーマニア出身の若手比較文学者Delia Ungureanu、翻訳論で著名なEmily Apterの他、今年はベオグラードと言う土地柄から、Galin Tikhanov(ブルガリア出身、イギリスの文学理論家)、モスクワ大学教授のTatiana Venediktova(ロシア人が講師として参加するのは、IWL史上初めてのことです)、そして特別ゲストとしてクロアチアの著名な作家 UgresiUgrešićなどが講師陣に加わります(講師のプロフィールおよび各セミナーの詳細シラバスもProgram Overviewのページに公開されています)。

 世界の文学を広い視野から研究し、研究の国際的最前線に接して刺激を受けるまたとない機会ですので、ふるってご参加されるよう、ご案内を差し上げる次第です。なお東京大学現代文芸論研究室はこのIWLの提携校であり、東京大学所属・関係者の方は現代文芸論研究室でまとめて推薦を出しますので、個別の推薦状を用意する必要はありません。また提携校の申込者には、学費などの面で特典があるほか、申込期限の特別延長も認められる場合があります。疑問点がある場合、沼野まで直接お問い合わせください