タチヤーナ・ソコロワ=デリューシナ (Татьяна Соколова-Делюсина):ロシアを代表する日本文学研究者・翻訳家の一人。15年もの歳月をかけて『源氏物語』を初めてロシア語に完訳した業績で名高い。その他、世阿弥、和泉式部、一茶、蕪村、芭蕉、太宰治、現代日本の詩歌などの翻訳がある。2008年春、旭日小綬章を受章。今回は、源氏物語千年紀を記念して京都で開催される「源氏物語国際フォーラム」に招待されての来日。邦訳された著書に、『タチアーナの源氏日記―紫式部と過ごしたし歳月』(阪急コミュニケーションズ、1996年)がある。
藤原 克己 (FUJIWARA Katsumi):東京大学文学部教授、国文学。専門は菅原道真を中心とする平安朝の漢文学、古今集歌、源氏物語。漢文学・和歌・物語の間の深い内的な連関を追究しつつ、世界文学としての『源氏物語』の普遍性を明らかにすることも課題としている。今回のテーマに直接関わる論考としては「『源氏物語』と『クレーヴの奥方』」(柴田元幸編『文字の都市』東大出版会)や、「ロイヤル・タイラー氏の講演について」(東大大学院人文社会系研究科『多分野交流ニューズレター』第56号)などがある。