<概要>
1968-1989年の正常化の時代は、チェコのコミックスにとって逆説的な時代となっている。コミックスは厳しい統制下に置かれ、検閲を受け、規模やジャンルの点で制限を受けていたにもかかわらず、子ども向けの作品は発展し、特筆に値するクオリティを残している。本講演では、正常化期におけるコミックスの風景(ブルデューの表現を用いると、「場」)の概観を試み、体制の状況や作品の傾向に触れつつ、基本的な発表媒体、種別、そしてまた独創的な作家たちを紹介する。コミックスのなかでは(ややマイナーな位置を占める)地下出版や亡命出版にも触れる予定である。
*コジーネク氏が監修に関わった「チェコ・コミックの100年展」は、明治大学米沢嘉博記念図書館で、2017年9月29日~2018年1月28日に開催されます。
主催:明治大学米沢嘉博記念図書館、後援:チェコ大使館、協力:チェコセンター東京、チェコ科学アカデミー、モラヴィア美術館、監修:パヴェル・コジーネク、トマ-シュ・プロクーペック、監修協力:ジャン・ガスパール・パーレニーチェク、企画協力:株式会社イデッフ |