2015年度 現代文芸論研究室授業内容(S1ターム / S2ターム


「博士・修士論文指導」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
各教員
通年
2単位
月・1(隔週)

博士課程:現代文芸論専門分野の博士課程に在籍する大学院生を対象として、博士論文執筆に向けて、指導教員が個別に指導を行なう。

修士課程:現代文芸論専門分野の修士課程に在籍する大学院生を対象として、修士論文執筆に向けて各指導教員が個別の指導を行なう。




文芸批評理論9)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
S1+S2
2単位
月・2

20世紀と21世紀の文学批評および文化理論を概説する。20世紀の批評理論を、英米圏のフィルターを通して、理論の概要を解説し、その適用方法を実例とともに示し、理論にもとづく実践を試みる。21世紀も10年代半ばを迎えようとする現在、新しい批評の流れもあわせて紹介する。前半は形式重視の理論、後半は内容分析が主となる。




ことばと文化6)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
S1+S2
2単位
月・3

近現代の世界の文学を(現代日本文学も含めて)、一国一文学の枠を超えた視点で読解・研究していくための基本的な枠組みを提供し、各自の個別の研究への応用を考える。ことばと文化的アイデンティティ、文学作品の翻訳、文化の固有性と越境性、批評理論は時代や国を超えて普遍性を持ちうるか、理論と実践の対話は可能か、「世界文学」は可能か、といった「大きな話題」をあえて真面目に考え、各自の個別の専門分野の理解の深化につなげていきたい。




語学文学と翻訳2)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
斎藤 兆史
S1+S2
2単位
月・4

主に英語文学の翻訳技法の研究を通じて、文学、語学、翻訳理論を学びながら、同時に英語力を高めることを目的とする。




ラテンアメリカ文学概論3)」【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
S1+S2
2単位
火・2

ラテンアメリカ文学の担い手となった代表的な作家たちの代表的な作品を読みながら、文学史の流れや社会とのかかわり、作家個人の特徴、個々の作品の面白さなどをさぐる。ラテンアメリカ文学に対する基礎知識のない者でも受講可能とし、教材は主に翻訳のあるものを配布する。多くはスペイン語で書かれたものからの翻訳で、翻訳の存在しないものは担当者が翻訳して配布するので、スペイン語の知識も要らないものとする。




ロベルト・ボラーニョ研究【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
S1+S2
2単位
火・3

2つの長編小説『野生の探偵たち』と『2666』およびいくつかの短編集が好評を博し、短時日にしてスタンダードに定着した歓のあるロベルト・ボラーニョの出世作『アメリカ大陸のナチス文学』(1996)がこの春、邦訳刊行される(本シラバス執筆時点で、予定)。贋の文学事典の形式を取ったこの短編集を読み、ボラーニョの描き出す文学観を探る。




ホルヘ・ルイス・ボルヘス『伝奇集』を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
S1+S2
2単位
火・5

ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899-1986)の短編集『伝奇集』(1944)は簡潔にして美しい文体で、実に多くを示唆した豊かな文学作品である。翻訳を通じて読む者はその文学史上の意義は感得することができるだろうが、残念ながら文体上の技巧を実感することは難しい。本講ではそんなボルヘス作品を味わいながら精読することとする。




ポーランド語入門(1)【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
小椋 彩
S1+S2
2単位
水・2

ポーランド語文法の基礎を習得する。




ロシア語中級【学/外国語】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
エカテリーナ・グトワ
S1+S2
2単位
水・4

一年間学習したロシア語の基礎的知識を発展させ、応用力をつけることを目指す。その際「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」という4つの側面をバランスよく学習することを目標とする。身近なテーマから始め、様々な話題を取り上げ、文法事項を復習しながら、また語彙を増やしながら、口頭表現を身につける。発音やイントネーションも重視する。また作文の練習を行う。




翻訳の創造性【学(仏文)/多分野・持ち出し・後期教養】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野崎・浦・柳原
S1+S2
2単位
水・5

世論が実用英語一辺倒といった様相を呈しているいまこそ、文化の創造における「翻訳」の意味を考え直すべきときだろう。さまざまな言語、文化の共存を尊びつつ、それらの「あいだ」に立つことの重要性を改めて認識してもらうことがこのリレー講義の目標である。各国語学、文学、翻訳の専門家たちが、各自の研究や実践にもとづいて翻訳の面白さを語り、訳すことによって何が生まれるのかを明らかにする。




ラテンアメリカの極小短篇の世界【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
内田 兆史
S1+S2
2単位
木・2

長大な小説群によって知られるラテンアメリカ文学だが、その一方で優れた短篇の伝統も持っている。さらにその短篇の伝統のなかで、短篇とすら呼べないほどの短いテクストが数多く生み出されてきた。この授業では、そうした短いテクスト、極小短篇を実際に読んでいく。さまざまな作品の影響関係について考察しつつ、作り手たちの多様さにも目を向け、また短さによってもたらされる効果、そしてその短さを成立させている背景についても知識を深める。




批評の方法【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
阿部 公彦
S1+S2
2単位
金・4

文学作品について語るとはどういうことかを考え、また非常を実践することを目標とします。評判の定着した「批評理論」を勉強するのではなく、もう少しベーシックなレベルからスタートします。




現代文芸論研究の方法と実践【学・院/専限】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野・柳原・亀田
S1+S2
2単位
金・5

現代文芸論における文学研究の基本的な方法を身に付け、それを各自の興味に応じた研究に応用する。現代文芸論専修課程の学生のために、卒業論文執筆に向けての準備を行う。




2015年度 現代文芸論研究室授業内容(A1ターム / A2ターム


博士修士論文指導【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
各教員
通年
2単位
月・1

博士課程:現代文芸論専門分野の博士課程に在籍する大学院生を対象として、博士論文執筆に向けて、指導教員が個別に指導を行なう。

修士課程:現代文芸論専門分野の修士課程に在籍する大学院生を対象として、修士論文執筆に向けて各指導教員が個別の指導を行なう。




世界文学へのアプローチ4)」【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
A1+A2
2単位
月・3

現代の文学を広い視野から、一国一言語の枠にとらわれないで、また日本も世界の一部として視野に入れながら読んでいくための入門的な授業。専門分野・言語は問わず、これから文学を本格的に研究しようとする皆さんのためのイントロダクションとしたい。国民文学と「世界文学」の概念、外国文学を原語で読むことの翻訳で読むことの違い、文学にとってのローカルなものとグローバルなもの、といったトピックを扱いながら、並行して何人かの具体的な作家の例に即して文学作品の現代的な読み方を検討していく。




世界日本文学へのアプローチ11)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
A1+A2
2単位
月・5

世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。




ラテンアメリカの68年/73年【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
A1+A2
2単位
火・2

文化史的観点から言って、1968年は大きな転換点だった。この場合の68年というのは、象徴的な年であって、その年のみに限るわけではない。ラテンアメリカにおいては、おおむね68年から73年までの年号がそれに対応する。この68年(-73年)の意義を考え、それ以後、この時代との結びつきの強い文学作品などを見ていく。




ラテンアメリカ文学演習3)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
A1+A2
2単位
火・3

ラテンアメリカ文学を主題とした、あるいはラテンアメリカ文学との関係で多分野を扱った卒業論文を書く予定の学生や、その予定はなくても、ラテンアメリカ地域の最近の文学に親しみ、それについて何か書きたいと考える者が、その訓練を行う場とする。




文学文化批評理論6)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
A1+A2
2単位
火・5

2012年度から、エコクリティシズムについて考察し、2014年度に一応完結したが、エコクリティシズムからの派生物としても、また独自の思想的・文化的研究としても、英米圏では動物論が盛んである。今回はアガンベンやデリダの動物論を出発点として、英米での成果を積極的にとりいれつつ、動物論の射程、その可能性の中心を考えてみたい。問題点を整理したうえで、参加者もそれぞれの研究分野における動物論の可能性について研究発表を求めます。




英語で書かれた現代小説を訳す/読む
【学・院/集英社高度教養寄付講座】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
A1+A2
2単位
水・2

英語で書かれた現代小説を訳す力、鑑賞する力を養う。




書物と読者の近代(2)【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
和田 敦彦
A1+A2
2単位
水・3

文学の研究にはいろいろな方法がありますが、ここでは、特に読書について調べ、考える方法を学んでいきます。皆さんは小説や詩を、当たり前のように読んでいるかもしれません。けれど、小説を読むとはいったいどういうことでしょうか。そして、私達の読書の文化はどのように変化してきたのでしょうか。出版や検閲の制度なども含め、日本近代の読書環境の歴史や書物流通の変化を学びながら、それが文学の研究にどう生かせるのかを考えていきます。




現代英語圏小説入門
【学・院/集英社高度教養寄付講座】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
A1+A2
2単位
水・4

今日の英語圏の代表的な小説家の作品を読み、作者に関する講義を開くことを通して、英語で書かれた小説を面白く読める力を養う。




ヨーロッパの言語と社会3)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
三谷 惠子
A1+A2
2単位
水・5

ヨーロッパの中の「東」に焦点をあて、この地域に分布する言語とそれが形成する社会、文化について論じる。この地域の複雑な多言語状況とその要因、言語間のせめぎあいによって生まれる文化的営為、言語と社会、言語と民族的アイデンティティについて、地域の事情や歴史的背景に参照しながら比較論考する。




ポーランドの言語と文化2)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
A1+A2
2単位
木・2

ポーランド文法の初歩を学んだ者を対象とし、ポーランド語文法の基礎を引き続き習得するとともに、比較的平易なポーランド文学のテクストを少しずつ読み進める。またポーランド文学・芸術・映画などについての話題も適宜折り込む。語学を身に付けながらの、ポーランド文学・文化への入門を目標とする。




リトアニアの言語と文化【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
櫻井 映子
A1+A2
2単位
木・3

リトアニア語は、インド・ヨーロッパ(印欧)語族の諸現代語中でも最も古風な形態を保っていることで知られるバルト語諸派の言語であり、バルト海沿岸に位置するリトアニア共和国の公用語である。ヨーロッパの諸言語の研究を志す者にとって、きわめて貴重な資料を提供する言語であるが、複雑な語形変化と豊富な文法事項が入門者にとっては負担と感じられるのも事実である。本講義では、馴染みの深い英語や日本語との相違点を挙げながら初歩的な文法を分かり易く概説し、短期間でリトアニア語のアウトラインを学ぶことをめざす。同時に、日本から見ればいまだにヨーロッパの「辺境」の地であるリトアニアの言語文化を、歴史的・社会的背景をふまえつつ紹介する。




What is "Literature" in the Twenty-First Century? 【学/多分野/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
デビッド・ピース
A1+A2
2単位
木・4

The course aims to give students an overview and understanding of writing in the Twenty First Century, through readings, lecutes and discussions, and to then encourage students to use that understanding to improve their own critical and creative writing skills.




共産圏の芸術とプロパガンダ【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野・亀田
A1+A2
2単位
金・4

政治宣伝に関する理論を紹介しながら、20世紀のロシア中東欧を中心とする共産圏のプロパガンダ表象(文学、映画、写真、ポスター、雑誌、テレビ等)を取り上げ、実際に映像資料を鑑賞しつつ、政治と芸術の関係について検討する。文化活動がいかに政治的に利用されたかという観点のみでなく、政治的イデオロギーがいかに文化によって形成されてきたのかという点について理解を深める。




日系ブラジル移民の芸能と文学【学・院/集中講義】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
細川 周平
A2
2単位
2015年12月14日(月)〜18日(金)

日系ブラジル移民の一世紀にわたる文化活動のうち、芸能と文学に焦点を当て、異国で暮らすという経験を、経済効果や感傷的な決まり文句に収めずに見つめることを学ぶ。故郷・故国と異郷・異国の距離が生み出す心情的な意味合いについて考える。話題はブラジルに限らず、南北米諸国や太平洋への日本移民にも広げる。