2014年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


「博士・修士論文指導」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
各教員
2単位
月・2(隔週)

博士課程:現代文芸論専門分野の博士課程に在籍する大学院生を対象として、博士論文執筆に向けて、指導教員が個別に指導を行なう。

修士課程:現代文芸論専門分野の修士課程に在籍する大学院生を対象として、修士論文執筆に向けて各指導教員が個別の指導を行なう。




文芸批評理論)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
月・2

20世紀と21世紀の文学批評および文化理論にを概説する。20世紀の批評理論を、英米圏のフィルターを通して、理論の概要を解説し、その適用方法を実例とともに示し、理論にもとづく実践を試みる。21世紀も10年代を迎えようとする現在、新しい批評の流れもあわせて紹介する。前半は形式重視の理論、後半は内容分析が主となる。




ことばと文化)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・3

近現代の世界の文学を(現代日本文学も含めて)、一国一文学の枠を超えた視点で読解・研究していくための基本的な枠組みを提供し、各自の個別の研究への応用を考える。ことばと文化的アイデンティティ、文学作品の翻訳、文化の固有性と越境性、批評理論は時代や国を超えて普遍性を持ちうるか、理論と実践の対話は可能か、「世界文学」は可能か、といった「大きな話題」をあえて真面目に考え、各自の個別の専門分野の理解の深化につなげていきたい。




語学文学と翻訳【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
斎藤 兆史
2単位
月・4

主に英語文学の翻訳技法の研究を通じて、文学、語学、翻訳理論を学びながら、同時に英語力を高めることを目的とする。




世界日本文学へのアプローチ)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・5

世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。




レビューを書こう【学/全学自由ゼミナール(駒場)】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
月・5

情報が届き次第アップします。




ポーランド語入門【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
小椋 彩
2単位
・1

ポーランド語文法の基礎を習得する。




ラテンアメリカ文学概論)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
火・2

ラテンアメリカ文学の担い手となった代表的な作家たちの代表的な作品を読みながら、文学史の流れや社会とのかかわり、作家個人の特徴、個々の作品の面白さなどをさぐる。ラテンアメリカ文学に対する基礎知識のない者でも受講可能とし、教材は主に翻訳のあるものを配布する。多くはスペイン語で書かれたものからの翻訳で、翻訳の存在しないものは担当者が翻訳して配布するので、スペイン語の知識も要らないものとする。




ボルヘス精読【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
火・3

短編集『エル・アレフ』を中心にボルヘスの作品を読み、読みの可能性を探り、様々な観点から議論する。学期末には各自が、授業内での議論を踏まえ、取り上げた作品に関しての作品論を仕上げる。




ロシア中東欧映画と文学【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義・亀田 真澄
2単位
火・5,6(隔週)

20世紀後半から現代のロシア中東欧映画を取り上げ、映画を鑑賞するとともに、その背景にある文学・文化について考察し、また映画を生み出した社会・歴史的な状況についても検討する。映画について映画研究の専門的な立場から分析するというよりは、映画を通じて中東欧諸国の文化や歴史を学ぶことに主眼がある。ロシア中東欧を緩やかな文化圏と捉えながら、授業ではなるべく広い視野からこの地域の様々な映画作品を取り上げる。また扱う映画に応じて、それぞれの国の専門家をゲストとして招き、解説をしていただく。




ロシア語中級)」【学/外国語】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
毛利 公美
2単位
水・4

ロシア語初級文法を一通り終えた人を対象に、つまずきやすい文法事項を確認しながら、ロシア語の様々なテクストを読みこなす力をつけることを目的にしたクラスです。
初級から中級の段階の学習者にとって、語彙の不足はテクストを読む際の大きな障害となりますが、コンテクストが明確な身近な話題をテーマにした文章は、知らない単語がある程度あっても、周辺知識と想像力を駆使することで補うことができます。そのため、今年度は「日本」をキーワードに、主にNHKワールドニュースのロシア語版、ウィキペディア、ユーチューブなどネット上の生の素材を扱います。具体的なテーマは履修者の希望を入れて、できるだけ主体的な関心を持って取り組むことができる内容のものを選びたいと思います。




フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
水・5

『ペドロ・パラモ』(1955)は、1960年代のラテンアメリカ文学〈ブーム〉の先駆けとなった作品として評価されている。決して難しいスペイン語ではないけれども、詩的で多義的、不思議な面白みをもった言語で綴られるこの小説世界を堪能することを目標とする。




ブラジルの文学と音楽【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
福嶋 伸洋
2単位
木・3

20世紀ブラジル文学を代表する2作品、マリオ・ヂ・アンドラーヂの小説『マクナイーマーーつかみどころのない英雄』(28年)、ヴィニシウス・ヂ・モライスの戯曲『オルフェウ・ダ・コンセイサォン』(56年)を精読する。

前者は、アマゾン生まれのインディオの男の子マクナイーマという、怠けもので女たらしで卑怯な〝反=英雄(ダメヒーロー)〟が、20年代のブラジルを縦断する冒険物語で、69年にはジョアキン・ペドロ監督の手によって〝サイケな〟映画になっている。

後者は、ギリシア神話に出てくるオルフェウスの悲恋を、リオデジャネイロの貧民街に舞台を移して描いた物語。ボサノヴァの誕生を世界に知らしめたマルセル・カミュ監督の映画『黒いオルフェ』(59年)の原案としても知られている。

いずれも、映画を見ながら「映像化=翻案」の問題についても考えてゆく。

また、各回の最後にひとりずつブラジル音楽の重要なミュージシャン(作曲家や演奏家、歌手)を取りあげ、歌詞の対訳を精読しながら、その詩情や背景を掘りさげてゆく。以下のミュージシャンを取りあげる予定。

Tom Jobim/João Gilberto/Caetano Veloso/Chico Buarque/Baden Powell/Elis Regina/Nara Leão/Astrud Gilberto/Milton Nascimento/Geraldo Vandré/Cartola/Ary Barroso/Noel Rosa/Dorival Caymmi/Pixinguinha

ブラジルの文学と音楽の知識を広げ、その文化と社会について学ぶと同時に、日本や西洋をまなざす際の新たな視点を得ることを目標とする。




アイルランド古今詩歌集を立ち上げる)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
栩木 伸明
2単位
木・4

アイルランドは詩の故郷のように見られているものの、通常、アイルランド文芸復興(19世紀末に活躍しはじめるW.B.イェイツ)以後の詩の流ればかりが重んじられている。この授業では、昨年度に引き続き、19世紀以前のアイルランド詩歌から今読んで おもしろい作品を拾い、通時的でなく共時的な括りでまとめて読む。パート2となる今回の授業では、人口に膾炙したアイルランド語の伝統歌謡(の英訳)と英語の伝統歌謡を中心にとりあげる。「体験を語る」「呪う」「歌い直す」「悼む」「妖精信仰」(人魚、神隠しなど)といった機能やテーマで括って詩歌を読むことにより、アイルランドを「詩の故郷」たらしめているものの正体をさぐってみたい。さらに、アイルランドの古詩にみられる主題への変奏や呼応が読みとれそうな詩歌を、日本を初めとするさまざまな文学のなかから探し出し、採集した詩歌を読み比べることにより、詩の原形について考える。そういう作業を積み重ねて、アイルランド詩を出発点として、世界文学を横断する小さなアンソロジー(古今詩歌集)をヴァーチャルにこしらえてみたい。




現代日本小説の方法【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
阿部 公彦
2単位
金・4

現代日本で今現在書かれている小説作品をどのように批評的に語りうるかを検討する。単に「感想」を述べるだけでなく、参加者が自分なりの問題意識をどのように立てられるか、どのような小説語りが可能なのか(あるいは不可能なのか)を考える。




移動と幻想の現代アメリカ移民文学【学・院/集中講義】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
藤井 光
2単位
9月1日(月)〜9月5日(金)

文現代アメリカ文学において、英語で創作する移民作家たちを取り上げ、彼らの作品における「移動」が何をもたらしているのかを考えていきます。アメリカ文学である、という文脈を意識しつつ、個別のテクストの背景となっている土地や歴史の理解と移動のかたち、さらには物語をしばしば特徴付ける幻想性という特徴がどう絡み合うのか、などの考察を深めることを目標とします。また、移民作家といっても、1)親世代のルーツを外国に持つ作家たち、2)本人が合衆国外に生まれ、移動/越境してきた作家たち、の二つのケースが取り上げられることになります。作家たちの創作における違いや共通点などがあるのか、といった点もまた、議論していく予定です。




2014年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


博士修士論文指導【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
各教員
2単位
月・2

博士課程:現代文芸論専門分野の博士課程に在籍する大学院生を対象として、博士論文執筆に向けて、指導教員が個別に指導を行なう。

修士課程:現代文芸論専門分野の修士課程に在籍する大学院生を対象として、修士論文執筆に向けて各指導教員が個別の指導を行なう。




文芸批評理論)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
月・2

テリー・イーグルトンのThe Event of Literature(2012)は、「文学とは何か」という大問題を真正面から取り上げた野心的試みだが、この著書を読みながら、文学をめぐる問題を考察する。イーグルトンはLiterary Theory(1983 日本語訳題『文学とは何か』)において、文学に本質はない、文学は家族的類似性によってまとまったファジーな集合であると断言していたが、今回The Event of Literatureでは文学の本質について深く再考し、文学に関する一定のヴィジョンと認識を提示しているので、それを導きの糸として、文学の本質をめぐる議論の過去と未来をも見極めることができればと考えている。




世界文学へのアプローチ)」【学/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・3

現代の文学を広い視野から、一国一言語の枠にとらわれないで、また日本も世界の一部として視野に入れながら読んでいくための入門的な授業。専門分野・言語は問わず、これから文学を本格的に研究しようとする皆さんのためのイントロダクションとしたい。国民文学と「世界文学」の概念、外国文学を原語で読むことの翻訳で読むことの違い、文学にとってのローカルなものとグローバルなもの、といったトピックを扱いながら、並行して何人かの具体的な作家の例に即して文学作品の現代的な読み方を検討していく。




世界日本文学へのアプローチ10)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・5

世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。
(夏学期行う「世界/日本文学へのアプローチ(9)」と実質的に同じ趣旨のものであり、両方をあわせて授業計画を考えるため、夏冬継続して履修することを勧めるが、どちらかだけの履修も可)




アダプテーションの理論【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
火・2

アダプテーションの理論、と書いたが、理論的な探究を行おうというのではない。むしろ、個々のアダプテーションの事例を見ていこうというのが、授業の主旨。アダプテーションadaptationは、たとえば、小説から映画への脚色などを意味する語だが、単にメディアを変換させる脚色のみでなく、書き換えなどにも当てはめ、相互参加の様態を理論化したのがリンダ・ハッチオンであった。この授業ではハッチオンの議論なども参考にしながら、映画化、劇化、翻案、書き換えなどの実際を、実作品に即して考えていく。




ラテンアメリカ文学演習)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柳原 孝敦
2単位
火・3

ラテンアメリカ文学を主題とした、あるいはラテンアメリカ文学との関係で多分野を扱った卒業論文を書く予定の学生や、その予定はなくても、ラテンアメリカ地域の最近の文学に親しみ、それについて何か書きたいと考える者が、その訓練を行う場とする。




文学文化批評理論)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
火・5

2012年度から、エコクリティシズムについて考察し、またそれを実践しているが、今年度で3年目になる。今年度は、エコクリティシズムEcoriticisimあるいは緑の研究Green Studiesと、他の批評理論や文学理論分野とを積極的に比較対照し、相互連関性あるいは対立点などを明確にしてみたい。そのため批評理論の概観も試みる。また過去二年においてそうであったように参加者の研究発表も重要な役割を担うことになる。




英語の小説を訳す/読む【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
水・2

英語で書かれた現代小説を訳す力、鑑賞する力を養う。
前半は翻訳演習。毎回1-2ページの短い英文を全員が訳してきて授業に臨み、ディスカッションによって訳文の質を高めあう。
後半は短篇小説講読。毎回10-20ページの英語の小説を全員が読んできて授業に臨み、ディスカッションによって理解を深めあう。
毎週翻訳/レポート提出なので、楽をしたい人は受講しない方がよい。




ロシア語中級)」【学/外国語】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
エカテリーナ・グトワ
2単位
水・4

一年間学習したロシア語の基礎的知識を発展させ、応用力をつけることを目指す。その際「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」という4つの側面をバランスよく学習することを目標とする。身近なテーマから始め、様々な話題を取り上げ、文法事項を復習しながら、また語彙を増やしながら、口頭表現を身につける。発音やイントネーションも重視する。また作文の練習を行う。




ヨーロッパの言語と社会)」【学・院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
三谷 惠子
2単位
水・5

ヨーロッパの中の「東」に焦点をあて、この地域に分布する言語とそれが形成する社会、文化について論じる。この地域の複雑な多言語状況とその要因、言語間のせめぎあいによって生まれる文化的営為、言語と社会、言語と民族的アイデンティティについて、地域の事情や歴史的背景に参照しながら比較論考する。




Creative Writing and Contemporary Literature in the 21st Century 【学/多分野/持ち出し】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
デビッド・ピース
2単位
木・4

The course aims to further the students' reading and understanding of Twenty-first Century Literature and, at the same time, build and develop their skills in Creative Writing and writing, in general. Using extracts from both classic and contemporary texts, the course will examine characteristics of literature in the Twenty-first Century with particular emphasis on the development and use of plot, character, language and theme.




書物と読者の近代【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
和田 敦彦
2単位
金・3

文学の研究にはいろいろな方法がありますが、ここでは、特に読書について調べ、考える方法を学んでいきます。皆さんは小説や詩を、当たり前のように読んでいるかもしれません。けれど、小説を読むとはいったいどういうことでしょうか。そして、私達の読書の文化はどのように変化してきたのでしょうか。出版や検閲の制度なども含め、日本近代の読書環境の歴史や書物流通の変化を学びながら、それが文学の研究にどう生かせるのかを考えていきます。




チェーホフのかわいい女を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
金・4

19世紀末から20世紀初頭の時代を生きたロシアの作家、チェーホフの代表的短編の一つ「かわいい女」をロシア語で精読し、チェーホフの文学的表現、思想、世界観への理解を深めるとともに、チェーホフの生きた時代のロシア社会・文化の背景を探る。