2010年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


現代文芸論入門【専限】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷/沼野/柴田他
2単位
木・2

 現代文芸論専修課程でこれから本格的に文学研究を始めるために必要となる基本的な知識・方法を身につける。
※ なお、この授業は、受講者を現代文芸論所属の学生のみに限定する。 




ラテンアメリカ文学概説5)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・2

 すでに21世紀を迎えながらも、日本でのラテンアメリカ文学の紹介は相変わらず1960年代の<ブーム>期の作家とその作品を中心にして行われている。それは1960年代があまりにも豊穣だったことの証とも言えるだろう。この講義では、その<ブーム>期を生んだ背景、中心となった作家・作品の特徴、世代・地域による相違などに焦点を当てながら、ラテンアメリカの<新小説>を概観する。さらにロベルト・ボラーニョらを生んだ<ブーム>以降の新たな傾向についても触れる。受講者のスペイン語学習歴は問われない。




ラテンアメリカ文学研究7)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・4

 現代ラテンアメリカ文学の様々な傾向を知り、作家とその作品について各受講者がそれぞれの関心にしたがって報告を行うとともに、その報告に基づき受講者全員で討議を行う。




キューバ文学を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
水・5

 キューバを代表する作家の作品を、スペイン語の原典および英語訳・邦訳を用いて読む。




ことばと文化—現代文芸研究の地平【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
水・2

 近現代の世界の文学を(現代日本文学も含めて)、一国一文学の枠を超えた視点で読解・研究していくための基本的な枠組みを提供し、各自の個別の研究への応用を考える。ことばと文化的アイデンティティ、文学作品の翻訳、文化の固有性と越境性、批評理論は時代や国を超えて普遍性を持ちうるか、理論と実践の対話は可能か、「世界文学」は可能か、といった「大きな話題」をあえて真面目に考え、各自の個別の専門分野の理解の深化につなげていきたい。




世界日本文学へのアプローチ1【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
水・4

 世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
 東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。




ポーランドの言語と文化【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義・加藤 有子
2単位
金・4

 ポーランド語文法の基礎を習得し、簡単な文章の読解や日常のあいさつレベルのコミュニケーションができるようになることを目指す。またポーランドの文化・文学・芸術や歴史的背景についても学ぶ。




現代の世界文学3)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
月・4

 今学期は特にテーマを設けず、20世紀末〜21世紀に書かれた各国の文学を、主として英語で読む。




翻訳演習4)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
金・2

 毎回、英語で書かれた2〜3ページの小説・エッセイを全員が訳す。 




今日の世界文学・文化2【院/多分野交流演習】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
通年
2単位
金・5

 今日世界でどのように文学・文化が生まれ、享受され、研究されているかを多面的に知る。対象は現代文学・文化であるとは限らない。




文学批評理論3【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
月・5

 現代の文学理論と批評理論について概説し、文学作品や文化現象を分析するとき理論をいかに実践して考察の幅を広げ読解を深化させるかを実例とともに考える。英米圏における評価と応用法を基準にするが、扱う理論は欧米系全体に及ぶ。最終的に理論を使って分析考察する際の実践力を高めることを目標とする。予備知識は必要としない。




E・A・ポー【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
高山 宏
2単位
火・3

 現代文芸の主たる原理を一人で「発明」したと言ってよいポーの文業を通して、まさしくその現代文芸の中核的原理を可能な限り網羅する。




世界の俳句【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
夏石 番矢
2単位
木・3

 世界各国で、各言語で創作されている俳句の諸相、また俳句翻訳の諸問題を解明し、世界化した俳句の本質に迫る。日本人学生はもちろんのこと、授業で取り上げる俳句の多言語性と多様性充実のため、留学生を歓迎する。




言語の生態学【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
木村 護郎クリストフ
2単位
木・5

 言語はそれ自体として単独で存在しているのではなく、他の言語との関係、また社会の諸要素の中で、人間の思いや行動によって形成されている。この授業では、言語の社会的なあり方が、表現の媒体としての言語にとってどのような意味をもつのかを考えていきたい。




Visión panorámica de la literatura hispanoamericana【学・院共通/集中講義】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
アウレリオ・アシアイン
2単位
9/13(月)〜9/17(金)

La literatura hispanoamericana es la literatura escrita en lengua española en el continente americano. Surge como extensión de la literatura europea y al mismo tiempo como algo distinto. La conciencia de esa diferencia y el modo como se resuelve en busca de la identidad forman un tema central de la tradición cultural hispanoamericana, en torno al cual se desarrollan los grandes movimientos y las obras individuales. Nuestro curso dará una idea coherente del desarrollo de esa tradición, a través de esos movimientos y esas obras, para ofrecer una visión panorámica de la literatura hispanoamericana. Por lo dicho aquí, se entiende que la historia de la literatura se abordará como la historia de unas ideas, en un contexto social, a través de unas obras y sus autores.





2010年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


ラテンアメリカ文学概説6)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・2

 この講義では、ガルシア=マルケス、コルタサル、バルガス=リョサ、フエンテスら1960年代の<ブーム>の中心となった作家の時の経過にともなう作風の変化、およびアレナスら<ポスト・ブーム>、ボラーニョら<ポスト・ポスト・ブーム>の作家とその作品の傾向について検討する。また独自の動きを見せるキューバの新世代についても考えてみたい。受講者のスペイン語学習歴は問われない。
 具体的なシラバスは、ガイダンスを兼ねる初回授業時に提示する。




ラテンアメリカ文学研究8)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・4

 現代ラテンアメリカ文学の様々な傾向を知り、作家とその作品について各受講者がそれぞれの関心にしたがって報告を行うとともに、その報告に基づき受講者全員で討議を行う。




文学と越境越えゆく流れとどとまる力【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・2

 20世紀以降、芸術・文化の様々な局面で、伝統的な境界を超えて越境していこうとする傾向が顕著になり、亡命、異文化接触、多文化の共存といった問題が重要なものとして浮かび上がってきている。その一方で、伝統的な文化そのものが活力を失ったわけでは決してなく、多文化的傾向に抗するような形で、伝統的・民族的なものが新たな力を獲得している事例も決して稀ではない。
 この授業ではこのような現代世界の状況を踏まえ、文学にとって、作家が一国一言語の枠を超えて――あるいは一国一言語の伝統の中にあえてとどまって――活動・執筆することの意味を、様々な角度から検討し、文学にとって「境界」が持つ現代的な意味を考えたい。




<もう一つのヨーロッパ>を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・4

 この題目でいう「もう一つのヨーロッパ」とは、ロシア東欧のことです。ヨーロッパの一部であることは間違いないのに、西欧と違ってあまり日が当たらず、広く知られることもないこの地域の文学に触れ、西欧とは一線を画すその独自の魅力や特徴を知ることを目標とします。取り上げる作家は、主として20世紀とし、チャペック、カフカ、ゴンブロヴィッチ、シュルツ、レム、クンデラ、キシュ、ナボコフ、ブロツキーなど。この地域の文学に特徴的な亡命・越境といった話題も取り上げます。 




世界日本文学へのアプローチ2【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・5

 世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
 東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。




ウクライナの言語と文化【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
金・4

 ウクライナ語文法の基礎を習得し、簡単な文章の読解や日常のあいさつレベルのコミュニケーションができるようになることを目指す。またウクライナの文化や歴史的背景についても学ぶ。




翻訳実践演習【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
火・3

 外国語(主に英語)で書かれた文学作品を日本語に訳す。各自が訳したい作品を持ち寄り、訳文を教室で討議し、作品として読むに耐える質の達成をめざす。それと並行して、翻訳に関する古典的な批評も読むかもしれないが、重点は実践の方にある。




世界文学へのアプローチ3)」【学/持ち出し4学期】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
火・5

 20世紀末〜21世紀に刊行された、英語で書かれた/英語に訳された短篇小説を毎回1本読む。世界でいまどんな小説が書かれているかを少しでも知ることと、小説を英語で味わえる語学力をつけることをめざす。毎回レポート提出、簡単な発表1回。発言・質問など授業参加度を重視する。




文学文化批評理論【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
金・4

 2009年度と同じくAdaptationの問題をとりあげる。ただし2009年の授業に参加していなくても問題ない。今回は、さまざまな批評理論から、アダプテーション理論の構築と応用に使えるものを考えたい。アダプテーション理論を、さまざまな批評理論と接合することを目指すが、それはまたアダプテーション問題を批評理論を使い、どのように解明あるいは発展させられるかの問題であり、さらには批評理論について、アダプテーションの観点から再考することも考えている。また後半は、実際のアダプテーション作品の分析をとおして、理論の構築を試み、また理論の深化をめざす。




日本の長編小説【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
井上 隆史
2単位
水・4

 かつて日本近代文学を代表するのは短編小説だといわれた(私小説や芥川の作品など)。その一方で、漱石や藤村、現代では村上春樹らの代表作は長編である。日本近代文学において、長編小説というジャンルには、どのような特質が認められるであろうか。本講義では、長編創作ということにたいへん意識的であった戦後作家たち(野間宏、埴谷雄高、武田泰淳、中村真一郎、三島由紀夫など)を中心に、それぞれの作品が孕む問題性や歴史性、長編小説が一つの作品として成り立つにあたって要求される理論的背景および方法論的前提を探る。




ピンチョンを読む【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
佐藤 良明
2単位
水・5

 アメリカの作家トマス・ピンチョンの書く現代の大作を二冊、とにかく読み通し、考えを発表し、議論し、自分の論をまとめる。翻訳で読むのは、十分な分量を読みながら小説を論じる作業を、日本語が堪能なすべての学生に開くためであり、英語に堪能な学生は原書だけで参加してもかまわない。




世界文学としてのアメリカ文学【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
都甲 幸治
2単位
木・3

 移民の国であるアメリカ合衆国には、アメリカ国外で生まれながらアメリカを代表する作家となった人々がたくさんいます。この授業では彼らの短篇作品を読みながら、果たして共通する点はあるのかないのか、アメリカ文学とは世界文学なのか、やはり一つの国の文学なのかなどを考えていきましょう。予定している作家は以下のとおりです。Vladimir Nabokov(ロシア出身)、I. B. Singer(ポーランド出身)、Aleksandar Hemon(旧ユーゴスラビア出身)、Jamaica Kincaid(カリブ海のアンティーガ出身)、Junot Diaz(同じくカリブ海のドミニカ共和国出身)、Michael Ondaatje(スリランカ出身)、Bharati Mukherjee(インド出身)、Linh Dinh(ベトナム出身)、Chang-Rae Lee(韓国出身)、Ha Jin(中国出身)、Yiyun Li(中国出身)、Karen Tei Yamashita(日系アメリカ人、ブラジル・日本在住)