2009年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


現代文芸論入門【専限】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷/沼野/柴田他
2単位
木・2

 現代文芸論というディシプリンを学ぶにあたって必要となる基本的な知識・方法を身につける。




ラテンアメリカ文学概説)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・2

 すでに21世紀を迎えながらも、日本でのラテンアメリカ文学の紹介は相変わらず1960年代の<ブーム>期の作家とその作品を中心にして行われている。それは1960年代があまりにも豊穣だったことの証とも言えるだろう。この講義では、その<ブーム>期を生んだ背景、中心となった作家・作品の特徴、世代・地域による相違などに焦点を当てながら、ラテンアメリカの<新小説>を概観する。さらに<ブーム>以降の新たな傾向についても触れる。受講者のスペイン語学習歴は問われない。




ラテンアメリカ文学研究)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・4

 現代ラテンアメリカ文学の様々な傾向を知り、作家とその作品について各受講者がそれぞれの関心にしたがって報告を行うとともに、その報告に基づき受講者全員で討議を行う。




ラテンアメリカ文学の原典を読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
水・5

 現代ラテンアメリカを代表する作家の作品をスペイン語の原典および英語訳・邦訳を用いて読む。




翻訳演習)」【学】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
金・2

 毎回、英語で書かれた2〜3ページの小説・エッセイを全員が訳す。




現代の世界文学)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
水・2

 形式上の新しさを(も)めざした現代小説を、英語でかかれた作品・英語に訳された作品を中心に読む。




今日の世界の文学・文化【院/多分野交流演習】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸他
通年
2単位
金・5

 今日世界でどのように文学・文化が生まれ、享受され、研究されているかを多面的に知る。対象は現代文学・文化であるとは限らない。




ヨーロッパ・ロシア・日本【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・2

 近現代の世界の文学を(現代日本文学も含めて)、一国一文学の枠を超えた視点で読解・研究していくための基本的な枠組みを提供し、各自の個別の研究の深化につなげていく。特にヨーロッパ・ロシア・日本という地域の相互関係(文化的交流、影響、翻訳など)に注意を払うという意味では比較文学的だが、比較文学的な実証を目指すわけではなく、様々な声が響きあい、時に越境的性格を強める世界文学という場にどのようにアプローチできるか、探索することがこの演習の目標である。




世界文学へのアプローチ)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
沼野 充義
2単位
月・5

 世界の文学を広い視野から(日本文学も視野に入れて)研究していくための様々なアプローチを考え、特にこれから大学院で本格的な研究を始めようとする者のための研究入門的ゼミとしたい。
 東欧文学(ロシアを含む)、亡命作家・越境的な文学など、他の伝統的な研究の枠組みに入らない分野を研究する大学院生や、外国のバックグラウンドを活かしながら現代日本文学・文化を研究しようとする留学生も歓迎する。 




文学批評理論)」【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
通年
2単位
月・4

 現代の文学理論と批評理論について概説し、文学作品や文化現象を分析するとき理論をいかに実践して考察の幅を広げ読解を深化させるかを実例とともに考える。英米圏における評価と応用法を基準にするが、扱う理論は欧米系全体に及ぶ。最終的に理論を使って分析考察する際の実践力を高めることを目標とする。予備知識は必要としない。




日本近代文学の特質と課題)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
安藤 宏
2単位
火・5

 昨年度に引き続き、「自我」「自然」「写実」「言文一致」など、日本の近代文学を支配した理念を時間ごとに取り上げ、問題点を明らかにしていく。適宜、基本事項を含めた解説を織り込んで行く予定。さらに文学作品を分析していく基本的な方法論を、具体的な作品を取り上げながら実践的に講じて行きたい。人数によっては、適宜、調査、発表形式も取り入れていく予定。




ことばから見た芸術表現の諸相【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
中島 由美
2単位
月・3

 歌謡芸術をことばの側から見てみようという試みです。言語のさまざまな要素が歌謡芸術においてどのように活用され、音楽の側の構造ととどのような関係にあるのかについて、日本の伝統芸能から歌謡曲、現代ポップス、唱歌やクラシックなど、さまざまなジャンルの例を観察します。日本以外の歌謡芸術との比較も行いながら見ていきます。また、言語としては日本語と同系でありながら、性格の大きく異なる沖縄の歌謡芸術と、両者の中間的な位置にあると言える奄美の歌謡、このふたつと日本の場合とを、使用する楽器、音楽の構造、声使い、歌謡の内容など、ポイントごとに比較し、さらにそれぞれの近代〜現代への発展過程を辿ってみます。なお、今年度もいろいろな分野で伝統芸能の継承とその新しい展開に挑戦しておられる方々をゲストにお招きする予定です。
 理論的枠組みに沿った内容ではなく、創作や実演を試みながら、音楽における言語の問題を考えていただければと思います。




漱石的/キャロル的【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
高山 宏
2単位
火・3

 〈文学〉といわれて多くの学生の最小公倍数と思われる作品を選んで、そこから文学とはどういうメディアで、時代のどういう歴史や文化を内包し得るものなのか考えてみる。差し当たりルイス・キャロルの「アリスもの」2点と夏目漱石の『吾輩は猫である』『草枕』の2点。キャロルの小さな〈童話〉に濃厚凝集されたヨーロッパ近代の、そしてそれとまともに直面した明治・大正日本の鮮やかなありようを、諸君の聞きなれない〈文化史Kulturgeschichte〉の感覚と方法で明らかにできれば良い。




リトアニアの言語と文化【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
櫻井 映子
2単位
木・3

 リトアニア語は、インド・ヨーロッパ(印欧)語族の諸現代語中でも最も古風な形態を保っていることで知られるバルト語派の言語であり、バルト海沿岸に位置するリトアニア共和国の公用語である。ヨーロッパの諸言語を研究する上ではきわめて貴重な資料を提供する言語であるが、複雑な語形変化と豊富な文法事項が入門者にとっては負担と感じられるのも事実である。本講義では、馴染みの深い英語や日本語との相違点を挙げながら初歩的な文法を分かり易く概説し、短期間でリトアニア語のアウトラインを学ぶことをめざす。同時に、日本から見ればいまだにヨーロッパの「辺境」の地であるリトアニアの言語文化を、歴史的・社会的背景をふまえつつ紹介する。




近現代小説研究【学部/多分野講義】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
辻原 登
2単位
木・5

 我々に「文学」がなければ、記憶も歴史もありえなかった。つまり「人類」は存在しなかった。
 19世紀、「文学」世界の新参者「小説」が「文学」の中心に位置するようになった。20世紀、「小説」はそのまま中心にいすわっていられるかと思いきや、突然、その地位は揺らぎ始める。まだ揺らいでいる。ということは、どっこい、まだ滅びていないともいえる。
 ひとつのジャンルが揺らいでいるときこそが、落ちる寸前の果物のように食べごろなのだ。いまがその時だろう。




小説の単一言語使用【学・院共通/集中講義】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
西 成彦
2単位
9/14(月)〜9/18(金)

 「国民国家」というモデルを基礎に置かないかぎり、世界が単一言語使用を標準とするという考えは誤りである。強いて言うなら「国民国家」という体制は、国語の単一使用者を疎外しないためのシステムだということだ。歴史的にみて、世界は多言語使用によって成り立っているといった方が確実に正しい。にもかかわらず、多くの文学作品が一言語で記されてきたこともまた事実だ。この講義では、植民地主義にともなう人間の移動をはじめとして、現代文学が掘り起こそうとする多言語使用の現実を小説のなかに透かし見るトレーニングをおこなう。そして、そうした多言語使用の現実を不可視化してしまう制度としての小説の限界と可能性を問い直す。





2009年度 学期 現代文芸論研究室授業内容


ラテンアメリカ文学概説)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・2

 この講義では、ガルシア=マルケス、コルタサル、バルガス=リョサ、フエンテスら1960年代の<ブーム>の中心となった作家の時の経過にともなう作風の変化、および<ポスト・ブーム>の作家とその作品の傾向について検討する。また独自の動きを見せるキューバの新世代についても考えてみたい。受講者のスペイン語学習歴は問われない。
具体的なシラバスは、ガイダンスを兼ねる初回授業時に提示する。




ラテンアメリカ文学研究)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
火・4

 現代ラテンアメリカ文学の様々な傾向を知り、作家とその作品について各受講者がそれぞれの関心にしたがって報告を行うとともに、その報告に基づき受講者全員で討議を行う。




世界文学へのアプローチ)」【学/持ち出し専門科目】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
野谷 文昭
2単位
水・5

 ガルシア=マルケス、ボルへスらを生んだ現代ラテンアメリカ文学の魅力を知る。




翻訳の理論と実践)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
水・2

 英語で書かれた文学作品を日本語に訳す。各自が訳したい作品を持ち寄り、訳文を教室で討議し、作品として読むに耐える質の達成をめざす。それと並行して、翻訳に関する古典的な批評も読むかもしれないが、重点は実践の方にある。 




19〜20世紀短篇小説を英語で読む【学/原典を読む】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
水・5

毎回、10ページ程度の英語で書かれた短篇小説を取り上げ、前半は内容を正確に読み取ること、後半では感想を自由に述べあう。 




現代文学短篇講読)」【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸
2単位
金・2

 20世紀末〜21世紀に刊行された、英語で書かれた/英語に訳された短篇小説を毎回1本読む。世界でいまどんな小説が書かれているかを少しでも知ることと、小説を英語で味わえる語学力をつけることをめざす。毎回レポート提出、簡単な発表1回。




現代ロシア文化研究【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸・毛利 公美
2単位
金・4

 ディテクチフ(探偵小説)、アニメ、映画、ポップスなど、いわゆる「公式文化」とは異なる部分をおもな題材として、20世紀後半から現在までのロシア文化の特徴と変化について考察します。スターリン以後のソ連時代からペレストロイカ、市場経済に至る過程で、何が変わり、何が変わらなかったか。それぞれの時代における、ロシアの文化と〈西側〉の文化、ハイ・カルチャーとポピュラー・カルチャーの関係はどうなっているのか。
 授業は、概論的な講義と、実際のテキスト購読、映像資料の鑑賞を織り交ぜて進めます。ロシア語のやさしいテクストをなるべくたくさん読み・聞くことを通して、ロシア語力のアップを測ることも目的のひとつです。




今日の世界の文学文化【院/多分野交流演習】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
柴田 元幸他
通年
2単位
金・5

 今日世界でどのように文学・文化が生まれ、享受され、研究されているかを多面的に知る。対象は現代文学・文化であるとは限らない。




文学批評理論)」【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
通年
2単位
月・4

 現代の文学理論と批評理論について概説し、文学作品や文化現象を分析するとき理論をいかに実践して考察の幅を広げ読解を深化させるかを実例とともに考える。英米圏における評価と応用法を基準にするが、扱う理論は欧米系全体に及ぶ。最終的に理論を使って分析考察する際の実践力を高めることを目標とする。予備知識は必要としない。




批評理論演習)」【院】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
大橋 洋一
2単位
火・3

 近年、注目され議論の対象となることの多いAdaptation/翻案の諸問題を考える。Adaptation理論を概観し、その可能性と限界とを確認したうえで、実例を通してAdaptationの意味と評価、その歴史と可能性を考察する。




日本近代文学の特質と課題)」【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
安藤 宏
2単位
火・5

 前期の「日本近代文学の特質と課題 5」に準ずる。




Canadian Literature and Songs【学部】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
Thodore W. Goossen
2単位
木・3

 This course introduces Canadian literature written in English by authors like Margaret Atwood, Mordecai Richler, and Michael Ondaatje. Joy Kogawa’s Obasan and other works of Asian Canadian literature are also given special attention, as are the songs of Joni Mitchell, Neil Young, Leonard Cohen, the Band, and other Canadian singer-songwriters.
 Canadian literature once focused on the human struggle to survive amidst threatening nature; now, the “multicultural” diversity of urban Canada sets the tone.




Japanese to English and Literary Translation【学・院共通】
担当教員
学期
単位数
曜日・時限
Thodore W. Goossen
2単位
木・5

 This is a “hands’ on” course designed for any student who would like to learn about Japanese literature, and translation.
 The first half of this course looks at major works of modern Japanese literature, and the ways they have translated. In the second half, students will work on English translations of Japanese works of their choice.