東京大学文学部スラヴ語スラヴ文学研究室/現代文芸論研究室、国際交流基金共催
国際シンポジウム

<聖なる愚者>が切り開く文学の未来

ロシアの作家・中世研究者エヴゲニー・ヴォドラスキンを向かえて


長編『聖愚者ラヴル』(邦訳は日下部陽介訳、作品社)が世界20数か国語に翻訳されて大きな反響を呼んでいる現代ロシア文学の新星、エヴゲニー・ヴォドラスキン氏が国際交流基金の招待で来日することになりました。同氏はロシア科学アカデミー・プーシキン館の中世ロシア文学研究者でもあり、「ロシアのウンベルト・エーコ」の異名をとる学匠作家として国際的に注目されています。この機会に、ロシア文学者・名古屋外国語大学学長の亀山郁夫氏、作家でロシア文学に造詣の深い島田雅彦氏をさらにゲストとして迎え、ロシアと文学の過去と未来について語り合います。

 

日時 2017319日() 午後3時〜5時

教室 東京大学法文2号館2階 1番大教室(本郷キャンパス)

通訳つき、事前登録不要。どなたでも自由にご来聴ください。シンポジウム後、著者による『聖愚者ラヴル』サイン会も行われます。



第1部 3: 00-3: 50 ヴォドラスキン氏講演「ロシア文学——過去と未来の間で」

第2部 4: 00-5: 00 シンポジウム


エヴゲニー・ゲルマノヴィチ・ヴォドラスキン(Водолазкин, Евгений Германович)
1964年キエフ生まれ、1990年より、リハチョーフが率いていたサンクト・ペテルブルグのロシア科学アカデミー・ロシア文学研究所(通称プーシキン館)古代ロシア文学部門研究員。2000年に『古代ロシア文学における全世界史―11~15世紀の年代記および旧約聖書物語資料に基づいて』で博士号取得。2014年に専門的学識を生かして書いた、中世ロシアを舞台とした長編 『聖愚者ラヴル』(2014年) で一躍注目を浴び、ロシア国内で「ボリシャヤ・クニーガ」賞と「ヤースナヤ・ポリャーナ」賞をダブル受賞。本書は世界20ヶ国語以上に翻訳され、著者は「ロシアのウンベルト・エーコ」の異名をとるようになった。現在は中世ロシア文学研究者と現代ロシア文学界を代表する小説家の二つの顔をもつ文人として活躍している。


亀山 郁夫(かめやま いくお)
ロシア文学者、元東京外国語大学学長、現在名古屋外国語大学学長。著書『甦るフレーブニコフ』、『破滅のマヤコフスキー』、『磔のロシア』(大仏次郎賞)、『謎解き「悪霊』(読売文学賞)、訳書ドストエフスキー『罪と罰』、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』など多数。

島田 雅彦(しまだ まさひこ)
小説家、法政大学教授。1983年、東京外国語大学ロシア語科に在学中、『優しいサヨクのための喜遊曲』でデビュー。以後、現代日本小説の最先端で活躍してきた。著書『夢使い』、『無限カノン三部作』、『カオスの娘』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『虚人の星』(毎日出版文化賞)など多数。現在、芥川賞選考委員。

沼野 充義(ぬまの みつよし)
東京大学教授、ロシア・ポーランド文学、現代文芸論。著書『亡命文学論』(サントリー学芸賞)、『ユートピア文学論』(読売文学賞)、編著書『世界は文学でできている 対話で学ぶ<世界文学>講義』全5巻など。





構内図

法文2号館2階 1番大教室

*現在図書館の周囲は工事中で通行しにくくなっていますので、ご注意ください。

お問い合わせ先

現代文芸論研究室
03-5841-7955
月・水・木 13:30〜17:00、金 10:30〜17:00)