講義要旨:第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの占領下で強制・絶滅収容所の作られたポーランドでは、体制転換以降、そしてEU加盟以降、ホロコースト関連の場所の記念化が加速している。2013年4月19日にはポーランドの首都ワルシャワにポーランド・ユダヤ人の歴史博物館がオープンし、今年2014年10月にその核となる常設展示が公開される。ホロコーストもポーランド・ユダヤ人の歴史の一環として展示するこの博物館の本格オープンを前に、ワルシャワ、クラクフを中心に、ポーランドにおけるホロコースト記念の現在のかたちを記念碑、公共美術、博物館等にたどる。ポーランドのホロコースト関連の文学作品にも触れ、出来事の記憶と文学の関わりも考えたい。
※講義は日本語で行います。現代文芸論大学院演習「世界/日本文学へのアプローチ」の一環として行うものですが、専門的関心をお持ちの皆さまのご来聴を歓迎します。
事前予約不要です。
講師プロフィール:加藤有子氏は、東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)で博士号を取得、日本学術振興会特別研究員、東京大学文学部現代文芸論研究室助教を経て、2014年4月より名古屋外国語大学准教授。ポーランド文学・文化、表象文化論専攻。著書に『ブルーノ・シュルツ 目から手へ』(水声社、東京大学学術成果刊行助成、表象文化論学会賞受賞)、編著書に『ブルーノ・シュルツの世界』(成文社)、訳書に『ピンセル』(未知谷)などがある。
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