主催:東京大学文学部現代文芸論研究室
特別講義

リベラトゥラ——新しい文学ジャンル
LIBERATURA: a New Literary Genre

講師:カタジーナバザルニク(ヤギェロン大学)+ゼノンファイフェル(詩人、批評家)

司会:加藤 有子(現代文芸論)/通訳:三井レナータ久山宏一


Liberature〈リベラトゥラ:ラテン語のliberより〉——本の物質的形式とテクストが統合され、全体として一つの意味を生成する新しい文学ジャンル。アート・ブックとは異なる。1999年にゼノン・ファイフェル(ポーランド)が提起し、文学と造形美術という境界を超えるジャンル概念として注目を集めつつある。

主唱者カタジーナ・バザルニク+ゼノン・ファイフェル(ポーランド)は、この概念を理論的に提起するのみならず、実際の創作ならびにリベラトゥラ・シリーズの編纂・刊行を通して実践している。2012年、EU文化会議(ポーランド)、アメリカ(NY、シカゴ)、台湾の文学フェスティヴァルで招待講演やワークショップを精力的に行った両氏を招き、生成中のこの概念と文学の可能性を検討する。

予約不要、聴講自由、講義はポーランド語、通訳あり






カタジーナカタジーナ・バザルニクKatarzyna Bazarnik):〈リベラトゥラ〉理論家、翻訳家、ジョイス研究者。ヤギェロン大学(ポーランド、クラクフ)英文科講師。ポーランド語の編著多数、英語の著書に『ジョイスとリベラトゥラ』Joyce and Liberature(2011)、編書に『ジェイムズ・ジョイスとそれ以降―作家と時間』James Joyce and After. Writer and Time(2010)。ゼノン・ファイフェルとともにリベラトゥラ・シリーズを刊行、リベラトゥラ読書室(クラクフ)を主宰。ファイフェルとの共著にリベラトゥラ作品第一作となる『目の治癒/損傷』Oka-leczenie (2000)、『見ること/手当てし覆うこと』(O)patrzenie(2003)。一番最近のプロジェクト「自由詩」(2011)は詩のアクションであり、NYのウォール・ストリート、シカゴで行われた。 ゼノン・ファイフェルZenon Fajfer:ポーランド語詩人、〈リベラトゥラ〉理論家。カタジーナ・バザルニクとの共著の他、単著に瓶の本『オゾン・ホールを覗いて』Spoglądając przez ozonową dziurę(2004)、二言語詩集『10の文字』ten letters (2010)、〈リベラトゥラ〉をめぐるエッセイ選集『リベラトゥラ、あるいは全体文学―エッセイ選集1999-2009』Liberature or Total Literature. Collected Essays 1999-2009(2010)。「エマナチオ詩」という詩形式を発明。








日時:2011122)/午後3〜午後5
場所:東京大学本郷キャンパス 法文1号館112教室

交通:地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷3丁目」、南北線「東大前」、千代田線「根津」など下車、いずれも徒歩10分程度

(〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1)

問い合わせ先
現代文芸論研究室
TEL:03-5841-7955、e-mail:genbun×l.u-tokyo.ac.jp(×を半角@に変えてください


プログラム
15:00〜16:10 カタジーナバザルニクゼノンファイフェル特別講義
  「リベラトゥラ——新しい文学ジャンル」、リベラトゥラ・シリーズ紹介
16:10〜16:40 詩の朗読
  ゼノン・ファイフェル『10の文字』より、ポーランド語、英語、日本語
16:40〜17:00 討論
司会:加藤 有子 通訳:三井レナータ、久山宏一

※この講演会は、科研費による研究プロジェクト「グローバル化時代における文化的アイデンティティと新たな世界文学カノンの形成」(研究代表者:沼野充義、研究課題番号20320052)の一貫として行なわれるものです。