特別講義
ザミャーチン『われら』と現代ロシアのアンチユートピア |
Роман Замятина "Мы" и современные русские антиутопии
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特別講師:ボリス・ラーニン博士(ロシア教育科学アカデミー高等教育部門・部門長・教授)
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司会:野中 進(埼玉大学准教授・ロシア文学) |
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ロシアのアンチユートピア小説として真っ先に思い浮かぶ作品の一つは、革命直後の時代に未来の全体主義国家を予告したE. ザミャーチンの『われら』(1920)でしょう。しかし、アンチユートピア小説の系譜は現代ロシア文学に至るまで脈々と受け継がれています。この講義では、『われら』をはじめとする過去のアンチユートピア文学を念頭に置きつつ、V. ソローキン『親衛隊員の一日』(2006)、D. ブィコフ『ジェー・デー』(2006)、M. ユーリエフ『第三帝国』(2007)といった21世紀のアンチユートピア小説を検証します。文学におけるユートピア・アンチユートピアの問題に興味のある方のみならず、ロシアの最新の文学に興味のある方にとっても貴重な内容です。
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※ 聴講自由、事前登録不要。
※※ 講義・討論はロシア語。通訳無し。
※※※ 専門的関心をお持ちの皆様のご来聴を歓迎いたします。
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講師プロフィール
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ボリス・ラーニン(Boris Lanin):1961年アゼルバイジャン生まれの文学研究者、批評家、ジャーナリスト。ロシアオープン(自由)大学哲学学部学部長、ロシア教育アカデミー上級研究員、ロシア国立税務アカデミー客員教授を歴任。文学博士。教育博士。
※ ラーニン氏はロシアにおけるアンチユートピアの問題と、E. ザミャーチンに関する、最先端の研究家の一人。著作に『E. ザミャーチンの小説「われら」(Роман Е. Замятина "Мы")』、『ロシア文学上のアンチユートピア(Русская литературная антиутопия)』があり、特にSFやユートピアとアンチユートピア(V. アクショーノフ、M. ブルガーコフ、F. ベーコン、V. ヴァイノーヴィチ、V. オドエフスキー、E. ザミャーチン等に関して)の研究で数多くの業績を上げられています。また、独自の教育学的示唆に富む文学・批評研究を展開していらっしゃいます。
現在、学術振興会外国人招聘研究者として神戸大学に滞在中のところ、司会には野中進先生(埼玉大学准教授・ロシア文学)をお招きし、東京大学でも特別講義をしていただけることとなりました。専門的関心をお持ちの方のご来聴を歓迎いたします。
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共催:東京大学大学院人文社会系研究科・文学部スラヴ語スラヴ文学研究室/現代文芸論研究室
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問い合わせ先
住所:〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学文学部 現代文芸論研究室(03-5841-7955)またはスラヴ文学研究室(03-5841-3847)
E-Mail:genbunXl.u-tokyo.ac.jp( X→@ )
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