アンドリイ・ダニレンコ博士特別講義

東スラヴ語における「持つ」こと
     — be型とhave型の間で

The East Slavic‘HAVE’: between the be-and have-patterning?
講師:アンドリイ・ダニレンコ博士(ペース大学講師、北海道大学スラブ研究センター外国人研究員)
司会・解説:野町素己(北海道大学スラブ研究センター准教授)

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日時2009619()・午後46

場所:文3号館7スラヴ文学演習室(東京大学本郷キャンパス)

講義・討論はロシア語。通訳はありませんが、質疑・討論は英語・ウクライナ語も可。
**聴講自由、事前登録不要。専門的関心をお持ちの方のご来聴を歓迎します。


「誰それは何々を持っている」という所有を表す表現に関して、ヨーロッパの言語には、英語のhaveに相当する動詞を使うもの(have型)と、beに相当する動詞を使うもの(be型)の二つのパターンがあります。ロシア語などの東スラヴ語はbe動詞を使ってУ меня есть ... と言うのが普通で、英語のI have... に相当するЯ имею...はあまり使われません。そこで、所有表現に関して東スラヴ語は、一般には典型的なbe型として扱われるわけですが、この講義では、広い類型論的・地域的視野からこの問題を再検討し、東スラヴ語が所有表現に関して混在的(heterogeneous)であり、have構文とbe構文の両方が共存していることを示し、所有表現の文法化の問題についても検討を加えます。所有表現に関して多くのスラヴ語を比較する広い視野からの講義ですので、言語学を専門としない方にとっても、スラヴ言語学入門として貴重な内容のものです。
現在、北大スラブ研究センターに外国人研究員として滞在中のところ、野町素己・同センター准教授の尽力により、東京でも特別講義をしていただけることになりました。専門的関心をお持ちの方のご来聴を歓迎いたします。


アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷三丁目」、南北線「東大前」下車、徒歩10分

東大構内案内図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_05_03_j.html



アンドリイ・ダニレンコ(Andriy Danylenko)ウクライナ出身。ハリコフ大学で修士号を、民族友好大学(モスクワ)で博士号を取得。現在、ニューヨークのペース大学講師。スラヴ言語学、印欧語研究、言語類型論、社会言語学、中世・近世のムスリム=スラヴ関係などの分野での活躍が目覚ましい気鋭の言語学者である。


 

主催:東京大学文学部スラヴ語スラヴ文学研究室
共催:現代文芸論研究室


問い合わせ先

住所:〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1

東京大学文学部 スラヴ文学研究室
TEL:03-5841-3847
URL:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~slav/homepage.html

現代文芸論研究室
TEL・Fax:03(5841)7955