開催日 2018年3月24日

 

共同研究「ブラフマニズムとヒンドゥイズム南アジアの社会と宗教の連続性と非連続性」

第4回シンポジウム「古代・中世インドの儀礼、制度、社会」


 

20183/24()3/25(日)東京大学文学部法文1号館215教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html

 

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13:00開会
13:10-14:00
招待講演 高橋孝信(東京大学名誉教授)「古代南インドのバラモン」

13世紀ごろの南インド(今日のタミルナードゥとケーララ州に相当)でのバラモンおよび関連する事柄を文献から探り、あわせて従来の研究の問題点を指摘する。

14:00-14:10
休憩

14:10-14:50
天野恭子(京都大学准教授)「ヴェーダ文献に見られる牝牛崇拝の萌芽」

古層のヴェーダ祭式解釈書は、社会的意義を持つシュラウタ祭式の権威でありながら、日常に密着した通俗的儀礼をも記述している。その中で、ヒンドゥイスムに連なる牝牛崇拝の記述を紹介したい。

14:50-15:30
西村直子(東北大学専門研究員)「古代インドにおける『息子の獲得』」

息子はなぜ、またどのようにして望まれたのか。輪廻思想の萌芽と展開の中で息子の誕生が持つ宗教的、社会的意義を、ヴェーダ及び仏典を中心に考察する。

15:30-16:10
大島智靖(東京大学特任研究員)「儀礼における『香』の利用」

インド諸宗教でこんにち一般的に用いられている線香や抹香などの香料やそれらを用いた所作は、ヴェーダ祭式におけるどのような土壌から生まれたのか。神話も検討しつつ、その展開を探る。

16:10-16:20
休憩

16:20-17:00
梶原三恵子(東京大学准教授)「入門儀礼と学習儀礼における衣について」

ヴェーダ入門・学習儀礼における重要アイテムのひとつに「衣」がある。纏う、替える、頭に巻くなど、場面ごとの衣の使用法という視点から、入門・学習儀礼の発達過程を考える。

17:00-17:40
高橋健二(京都大学博士課程)「『マハーバーラタ』における馬祀祭の位置づけについて」

古代インド叙事詩『マハーバーラタ』第14巻「馬祀祭の巻」における馬祀祭の位置づけを分析することで、第14巻の構成と成立の問題を検討する。

 


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10:00-10:40
沼田一郎(東洋大学教授)「法典のアルタ的要素と実利論のダルマ的要素」

ダルマ文献のエポックである『マヌ法典』に見られる実利論との共通要素、カウティリヤ『実利論』の持つ法典的な内容および構造を示し、両者のダイナミックな影響関係を考察したい。

10:40-11:20
河﨑 豊(東京大学助教)「ジャイナ教文献に見られる葬送儀礼」

1世紀頃に著された断食死マニュアル『バガヴァティー・アーラーダナー』が記す葬送儀礼の次第を、他文献から回収される平行記述と比較しつつ紹介し,内容の異同を検討する。


11:20-12:00
横地優子(京都大学教授)「王権儀礼から見た仏教と女神信仰の共存 ―Tapa Sardar僧院遺跡をめぐって

Tapa Sardar (Gazni)
僧院遺跡には、宝冠仏陀像と水牛を殺す女神像が向かい合っておかれている祠堂があり、この配置は8世紀後半に帰せられている。この両像の配置を手がかりに、仏教と女神信仰各々の王権儀礼の併存について、北インドのハルシャの治世をも含んで検討する。

12:00-13:30
昼食

13:30-14:20
招待講演 井狩彌介(京都大学名誉教授)「ヴェーダ祭式『アグニチャヤナ』をめぐって」

ヴェーダ期シュラウタ祭式の究極点といわれる「アグニチャヤナ(火壇構築祭)」の諸側面を紹介し、その祭式過程の検討から浮かび上がる本祭式の成立意図を考える。

14:20-14:30
休憩
14:30-15:30
全体討論
15:30
閉会

主催:
京都大学人文科学研究所共同研究班「ブラフマニズムとヒンドゥイズム南アジアの社会と宗教の連続性と非連続性」(班長・藤井正人、副班長・手嶋英貴)
共催:
科研費基盤研究()「ヴェーダからポスト・ヴェーダの宗教・文化の共通基盤と重層性の研究」(研究代表者・梶原三恵子)
科研費基盤研究()「南インド希少ヴェーダ学派の文献集成と翻訳研究」(研究代表者・藤井正人)

お問い合わせ:
東京大学文学部インド語インド文学研究室
電話    03-5841-3755
メール  inbun[at]l.u-tokyo.ac.jp     [at]を@に入れ替えてお送りください。