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臨床死生学・倫理学研究会 2016年度〜2018年度

2018年度


4月18日(水)
ケアの倫理学
  早川 正祐
  東京大学大学院人文社会系研究科 上廣死生学・応用倫理講座 特任准教授
5月9日(水)
臨床倫理コンサルテーションの活動と役割
  長尾 式子
  北里大学看護学部 看護システム学 准教授

 慢性疾患の急性増悪を繰り返す人が、療養生活の制限を強いられながら治療を続けることに対して悩みながら看護師として働いてきました。看護師経験で正しい、善いと信じていた医療ケアの考え方が大きく変わったことをきっかけに、医療の正しさ/善さ、不正/悪さとは何なのか、取り組みたいと考え、医療倫理学を学びました。
 医療技術は進歩し、専門性が高くなり、治療の適応は拡大、多様化していますが、治療の受け手である患者や家族、社会が幸福となっているのか、常に医療の正しさ/善さ、不正/悪さが問われています。昨今の医療現場は、病院組織の効率性、医療保障の公益性が問われ、医療の安全管理が強調されることで、医療従事者は自身の判断と行為に萎縮していることも少なくありません。そのような状況に対して、客観的に医療の正しさ/善さを再構築する仕組みに倫理コンサルテーションがあります。この仕組みが倫理の支援として医療現場でどのように発展し、役割を担っているのか、紹介したいと思います。

5月30日(水)
認知症高齢者におけるフレイルの評価と意義
  杉本 大貴
  国立長寿医療研究センター もの忘れセンター研究員
  神戸大学大学院保健学研究科 日本学術振興会特別研究員

 私は、神戸大学で理学療法士の免許を取得後、在宅分野にて高齢者のリハビリテーションの経験を積みながら、神戸大学大学院保健学研究科に進学し、現在博士課程に在学中です。また、修士課程2年次からご縁をいただき国立長寿医療研究センターもの忘れセンターで認知症高齢者のフレイルに関する研究をしています。
 本発表では、フレイルの考え方から認知症高齢者におけるフレイルの意義まで、これまでの研究によって明らかになったことをまとめ、皆様に話題提供できればと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

6月20日(水)
医療崩壊の夕張から学ぶ、市民の意識改革
  森田 洋之
  南日本ヘルスリサーチラボ 代表/鹿児島県参与

財政破綻により病院がなくなってしまった夕張市、しかも高齢化率は市として日本一。しかし、財政破綻後のデータは、夕張市民に健康被害が出ていないことを示していました。救急出動も半分に、医療費も減少、何よりも夕張市民は「笑顔」で暮らしていたのです。「病院がなくなっても市民は幸せに暮らせる!」 それが事実なら、それはなぜなのか? 講演では、その要因について財政破綻前後のデータ紹介を中心に、写真・動画を用いて解説します。

7月11日(水)
治癒に寄与する「倫理」 —オープンダイアローグの可能性—
  斎藤 環
  筑波大学医学医療系 社会精神保健学 教授

精神科医。医学博士。2013年より現職。専門は思春期・青年期の精神病理学。「ひきこもり」の支援・治療・啓蒙活動で知られる。主な著書に『文脈病ーラカン・ベイトソン・マトゥラーナ』青土社、『社会的ひきこもり』PHP新書、『生き延びるためのラカン』ちくま文庫、『「社会的うつ病」の治し方』新潮選書、『承認をめぐる病』日本評論社、『世界が土曜の夜の夢なら』角川書店(第11回角川財団学芸賞)、『「ひきこもり」救出マニュアル〈実践編〉』ちくま文庫、他多数。

従来の精神医療を越える、フィンランド発の「オープンダイアローグ(開かれた対話)」が近年話題をよんでいます。対話におけるプロセスを尊重しつつ、双方向で「オープンに話し合う」という手法で、統合失調症を始め、うつ病、PTSDなどの治療実践に成果をあげ、その有効性を証明するエビデンスも着々と積み上げられている段階にあります。今回は、「オープンダイアローグ」を日本に紹介した第一人者である斎藤環氏に、「治癒に寄与する「倫理」ーオープンダイアローグの可能性ー」と題したご講演をいただきます。

2017年度


4 月 26 日(水)
「長寿時代の臨床死生学・倫理学」
  会田 薫子(東京大学大学院人文社会系研究科 上廣死生学・応用倫理講座)
5 月 10 日(水)
「認知症高齢者の居場所と死に場所について」
  細井 尚人(袖ヶ浦さつき台病院 認知症疾患医療センター)

現在、認知症について発症や進行の予防、早期発見・早期対応など様々な研究や取り組みが実践されています。これらによって、認知症になっても住み慣れた環境で過ごしている人がいます。

しかし一方で、根治的な治療はなく、行動心理症状が現れたり、加齢に伴う衰弱や身体疾患が重度化する人もたくさんいます。 介護者不在、介護負担が大きく在宅での生活が困難な場合も少なくありません。介護施設では人材不足もあり精神症状や身体症状の重度の人は受け入れ困難です。急性期医療では、受け入れを断られてしまうことがあります。当院は千葉県初の認知症疾患医療センターとして「もの忘れから亡くなるまでかかわる」医療を実践しています。

発表者は2000年より当院に開設された認知症治療病棟を担当し、居場所と死に場所の確保に努めてきました。これまでの経験をもとに認知症高齢者の居場所と死に場所について考察したいと思います。

5 月 31 日(水)
「高齢者の薬:ポリファーマシーの危険性とその対策」
  小島 太郎(東京大学大学院医学系研究科 加齢医学講座)

昨今、高齢者の薬の多さが新聞や週刊誌にも問題として取り上げられるようになりました。薬は本来とても有用なものです。

しかしながら、75歳以上の方や要介護状態である方に関しては、薬によって得られるメリットを享受する前に、寿命が来ることもあると考えられます。また、薬が多いことで薬そのものによるデメリットも 起きやすくなります。

 約10年前より高齢者におけるポリファーマシー(多剤併用)の有害性につき研究をしておりますが、講演では、高齢者における薬物療法を行う意味やポリファーマシーの危険性、また減薬への取り組み方について、医療者でない方にも広く理解していだけるようお話したいと思います。

6 月 28 日(水)
「選択を迫られるALS の人々への看護師の支援 -ゆだねるとき、開かれるとき」
  渡邉 賢治(東京女子医科大学 看護学部 老年看護学)

身体が不自由になったとき、どこで暮らしていくのか。治療を続けるのか続けないのか。
いざとなったとき誰に大切なことを伝えるのか。
わたしたちは生き方を選択することができます。
しかし、それらの選択は、同時にわたしたちのその後の生き方を制約します。
選択は、わたしたちの個人的sな内的な決心にとどまりません。
選択は、誰かを動かし、そのまた誰かを動かし、そして自分をも動かしていくのです。
自分を動かしていく力は、わたしたちの決心のおよそ及ばない大きさに膨れ上がることで しょう。
選択とはそういうものであることをわたしたちは知っています。
ですから、迷うのでしょう。それを考えることも、誰かに相談することも。
進行性に身体の筋力が衰え、わずか数年のあいだに数多くの選択を迫られる ALS の人々は、 現場の看護師たちに力強い生き方を発信し続けています。
発表者の臨床経験とこれまでの調査をお話ししながら、選択にのぞむこれからのわたしたちの生き方を皆さんとともに考えたいと思います

7 月 26 日(水)
「高齢者のエンドオブライフ・ケアにおける人材育成」
  桑田 美代子(青梅慶友病院 看護介護開発室)

青梅慶友病院は許可病床数736床、入院患者の平均年齢約89歳、平均在院期間3年5ヶ月、9割が認知症を有し、9割が死亡退院する“終の住処”の役割を担った療養病床です。

死を見据え、多職種チームで人生の最晩年の生を支えるケアを探求してきました。最も大切なのは、日々のケア。そして、スタッフ達の責任と誇り。その活動についてご紹介したいと考えています。

9 月 27 日(水)
共依存を取り巻く現代社会の諸問題――ケアの倫理の可能性
  小西 真理子(国際基督教大学・日本学術振興会特別研究員)

私はこれまで、日本学術振興会特別研究員PDとして、共依存を中心とした病理的な関係性について研究してきました。共依存と呼び得る現象に対して多様な治療法の考案や理論分析がされるなか、共依存関係にあるものが「離れたくない」と主張する場合、それは「病理」として全否定され、「分離」を伴う解決策のみが推奨される傾向にありました。
今回の発表では、共依存を取り巻く問題系を解説した後に、「ケアの倫理」という倫理理論の視点から共依存問題について考えます。その上で、共依存と呼び得る現象における「分離とは異なる解決方法」にはどのような可能性および危険性があるのか、みなさまと一緒に考えさせていただきたいと思っています。みなさまのご意見・ご経験・ご感想をおうかがいできることを楽しみにしています。

10 月 18 日(水)
特別養護老人ホームにおける看取り介護について
  西口 翔(湘南鎌倉総合病院 総合内科 医長/横浜市立大学 健康社会医学ユニット 客員研究員)

私は急性期病院で総合内科・総合診療医として高齢者の診療に携わってきました。その経験の中で、高齢者の診療は難しい、と感じました。そして、多職種との情報共有や他施設との連携が欠かせないことを学びました。病院だけでなく、もっと地域のことを広く知る必要があると思った時に、特別養護老人ホームにおける看取り介護に関する研究にたどり着きました。今回は、その研究の内容を紹介させて頂きながら、皆さまと一緒に勉強させて頂きたいと思っています。よろしくお願いします。

11 月 22 日(水)
チーム医療に必要な多職種研修の報告 ――多職種連携コンピテンシーをもとに振り返る
  山岸 紀子(諏訪中央病院 副看護部長)

私は10年ほど前から副看護部長として看護部の教育を担当しています。看護師の教育の充実を図るためには、他の職種のことも同時に考えることが必要と感じ、多職種で一緒に学び合う多職種研修を開始することになりました。当時は、まだ多職種連携・協働という言葉はそれほど一般的でありませんでしたが、病院で働く多くの職員が集まり、考え、語り合い、伝え合うような研修を行うことによって、お互いの職種の垣根が低くなり、職種横断的な繋がりが形成されていきました。
 地域包括ケア時代には、多職種研修を地域の医療福祉行政職まで広げていく必要もあることにも気が付き、これからの展開に期待が高まっています。
 今回は当院が行ってきた多職種研修の報告をさせて頂き、皆様からたくさんのご意見を頂きたいと存じます。

12 月 20 日(水)
高齢者医療に関する人格主義倫理学の考え方
  秋葉 悦子(富山大学経済学部経営法学科(刑事法) 教授)

 本来の専門は刑法学ですが、大学院時代に高齢者の尊厳死をめぐるドイツの裁判例を扱って以来、医療と法に関する問題の研究を続けて参りました。20年ほど前にバチカンで開催された保健医療従事者の国際会議に出席してからは、イタリアの医学倫理学や生命倫理学にも取り組むようになりました。
 人格主義倫理学は、古代ギリシャの「医聖」ヒポクラテス以来の伝統的な医の倫理を継承する、今日の国際法や国際的な医学研究規制の基礎にある立場です。 当日は、高齢者医療に関する人格主義倫理学の基本的な考え方と、最近の議論の展開を紹介させていただきます。

2018年 1 月 24 日(水)
高齢者にとっての「本当の良き医療」とは?――日本在宅救急研究会が目指すもの
  小豆畑 丈夫(青燈会小豆畑病院 病院長兼救急・総合診療科部長/
           日本大学医学部 救急医学系救急集中治療医学分野 診療准教授)

私は日本大学附属病院で10年間外科のトレーニングを積んだ後、さらに10年間救命救急センターで3次救急医療に従事しました。2016年に茨城県の地域医療を担当する小豆畑病院に移動し、地域の在宅医療から急性期医療を行っています。近年、高齢者を病院や施設ではなくできるだけ在宅できることを目標とした地域包括ケアシステムの確立を行政は 求めています。その為に、在宅医療充実の動きが急速に高まっていますが、決して円滑に進んでいるとは言えません。それらの問題を明らかにし、解決策を検討するために2017年に日本在宅救急研究会が発足いたしました。同研究会は、地域の高齢者救急でおきている様々な問題、どこまで、救急で治療すべきなのかも含めて検討しておりますので、現時点での考えをお話しさせていただきたいと存じます。

2018年 2 月 14 日(水)
《特別編》 「エンドオブライフ・ケアの日中比較」

講演1 「日本における終末期ケアの現状」
  浜渦 辰二(大阪大学大学院文学研究科 臨床哲学研究室 教授)

講演2 終末期ケアの日中比較」
  徐 静文(北京城市学院 講師)


2016年度


4月20日(水)
「心積りノートの開発―上手に老い、最期まで自分らしく生きるために」
  清水 哲郎
  (東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター 上廣講座 特任教授)

 本センター上廣講座の清水哲郎がここのところ取り組んできた「心積りノート」 について報告します。心積りノートは「アドバンス・ケア・プランニング」が 「事前指示」の弱点を克服する努力の中からでてきた経緯を踏まえ、さらに一歩 進める試みです。いわば「終活」ではなく「老活」を支援するツールです。

5月11日(水)
「ハイデガーを手がかりとした現象学的看護論の展開可能性」
  田村 未希
  (東京大学大学院人文社会系研究科 死生学・応用倫理センター 上廣講座 特任研究員)

大学院では哲学を専攻し、とりわけ20世紀のドイツの哲学者であるハイデガーの哲学について研究を行ってきました。ハイデガーの哲学は「現象学」とも言われます。
近年(1980年代以降)、P.ベナーの看護論など、看護ケアに対する質的研究の一つの方向として「現象学的アプローチ」が注目を集めており、これらの研究はハイデガーの現象学にも多くを負っています。しかし「現象学」という言葉自体が難しく、学ぶのが難しいという声も上がっています。
今回の発表では、なるべくわかりやすくハイデガーの「現象学」のエッセンスをご紹介し、それが看護ケア理論にどのような有益な知見を与えてくれるのかを検討したいと思います。

6月 1日(水)
「ナラティヴの可能性」
  宮坂 道夫
  (新潟大学大学院保健学研究科 教授)

 宮坂教授の研究室の案内には「医療倫理・看護倫理・生命倫理(バイオエシックス)およびその関連分野に関する研究と教育を行っています。 特に、ナラティヴ・アプローチに関心をもって、倫理理論への応用や、看護・ケア理論への応用などを研究しています」とあります。
 同教授は、日本における医療倫理にナラティヴ・アプローチを本格的に導入した研究の第一人者で、著書に『医療倫理学の方法 - 原則, 手順, ナラティヴ -』があります。ここから進んで、ナラティヴ・アプローチの射程を広い視野で研究しておられます。この面のお話をお願いしました。
 なお、宮坂教授には、ハンセン病患者がどのような扱いを受けてきたかを倫理的視点から探った研究もあり、この面の著作として『ハンセン病 重監房の記録』(集英社新書)があります。

6月22日(水)
「最期まで守られる自分らしさと尊厳〜がんの「患者会」を通して感じたこと〜」
  緒方 真子
  (神奈川県立がんセンター 患者会「コスモス」 世話人代表)

 緒方さんは、ガンと前向きに付き合い、患者同士で支え合って自分らしく生きていこうという趣旨で、患者会「コスモス」の活動をしてこられました。
 加えて、神奈川県、横浜市を中心に行政のがん対策事業にかかわる委員をいくつか引き受け、また、地域の高齢者施設等でピアノ・キーボードによる音楽ボランテイアを定期的に行うなど、活躍しておられます。
  著書に「がんよ、ありがとうがらし」(2000年 文化出版局刊)、「シドニーののんびり子育て」(1982年 中央公論社刊)など。

6月29日(水)
《事例検討会》
急性期病院から療養病院への転院事例、その他
  事例提供者:大貫 周子 (南八王子病院))
7月13日(水)
「配偶子ドナーの匿名性」
  仙波 由加里
  (お茶の水女子大学ジェンダー研究センター 特任リサーチフェロー)

2003年に早稲田大学大学院人間科学研究科で博士(人間科学)を取得、2009年より2015年8月まで、米国スタンフォード大学に客員研究員として籍を置き、研究活動をおこなってきました。現在はお茶の水女子大学、ジェンダー研究所に特任リサーチフェローとして在籍しています。専門はバイオエシックスで、とくに生殖医療に関連する倫理的問題を研究しています。

近年、第三者の介入する生殖医療(精子提供、卵子提供、胚提供や代理懐胎)の需要が国内外で増加し、それに伴い、卵子ドナーや代理母の身体的・精神的リスク、生殖細胞の売買、生殖医療で形成された親子の法的扱い、出生者の出自を知る権利など、さまざまな問題が注目されています。

今回の報告では、この中でも第三者の介入する生殖医療で生まれた人たちの出自を知る権利に焦点を当てて、ドナーの匿名性をめぐる問題について倫理学的視点からお話ししたいと思います。

9月28日(水)
「認知症の人が医療を受けるときの意思決定支援」
  成本 迅
  (京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学 教授)

 成本迅先生は、認知症になった方の意思決定能力をどのように評価し、治療選択に関わる意思決定プロセスをどのように進めたらよいかについて、ご専門の立場から研究を進め、医事法等の専門家等も含む研究グループで、意思決定支援のあり方について研究開発をし、成果を公表しておられます。認知症になったとしても、意思決定能力は様々であり、状況を適切に把握しながら、本人の意思決定を支援していく必要があるということを巡って、第一人者のお話しがうかがえることと期待しています。

10月26日(水)
「専門家の倫理と責任(医師の責任を中心に)」
  木ノ元 直樹
  (木ノ元総合法律事務所 弁護士)

 昭和63年に弁護士となってから、医事紛争を専ら医療側に立って扱ってきました。その経験を通して自分なりに理解するに至った医師の倫理と法的責任を中心に、専門家の倫理と責任についてお話ししたいと思います。
 よろしくお願いします。

 ☆木ノ元先生の医療事故や事故調査をめぐるお考えのいくつかは、インターネット上で公表されていますので、お時間がありましたら、予習を兼ねてご覧になると(お名前で検索)、当日のお話しの深みがよりよく分かるのではないでしょうか。

11月16日(水)
「現代青年の“生きづらさ”の実態と自殺対策−調査研究と臨床実践から考える」
  大塚 尚
  (国際医療福祉大学 総合教育センター 助教 / 学生相談室 臨床心理士)

青年の自殺は、本学の「死生学概論」の中でこれまで毎年、専門家を招いて講義をしていただいてきましたが、参加学生にとってもっとも関心のある(身近なこととしてリアルに死を感じる)テーマの一つでした。それは身を乗り出すようにして、講師の話に聞き入る姿から、また、期末レポートで自 殺をテーマにしたものが非常に多いことから分かります。 今回はこのようなテーマに学生と触れ合う現場で取り組んでおられる立場からのご発表をしていただきます。以下、大塚先生の自己紹介です。

「私はこれまで精神科医療機関や大学の相談室、中学校等で約10年間思春期や 青年期の心理的援助に携わって参りました。臨床の中で希死念慮や自殺行動 のある青年の苦悩と多く出会い、現代青年の生きづらさと自殺の問題に向き 合っております。 若輩者ではございますが、当日は青年が「生きていく」ことについて、皆様 と有意義な議論ができることを楽しみにしております。」

12月14日(水)
「初代米国死生学会・会長Austin H. Kutscher と口腔ケアに関する研究」
  阪口 英夫
  (医療法人永寿会 陵北病院 歯科診療部長)

今回発表をしてくださる阪口先生は、歯科医師として臨床に携わるなかで、口腔ケアの重要性を感じてこられましたが、この分野を「口腔ケア」と呼ぶことの是非から始まり、これを巡る歴史について関心をもたれて、調べてこられました。

その経過で『終末期患者:口腔ケア』という書籍が、死生学財団(Foundation of Thanatology)から出ていること、その編著者の代表と目されるオースティン・カッチャー教授(コロンビア大学歯科学)が同財団の初代会長であることを見出され、日本に紹介されました。 死生学財団は、米国において「死生学」が死に直面した患者とその家族のケアに関わる研究領域の名前になったことに大いに関わっている可能性があり、死生学の歴史を明らかにするためにも、先生が「掘り出した」ものは重要と思われます。今回はより詳細にご研究の内容をお話しいただけることでしょう。

〔発表者からいただいた自己紹介〕 東京八王子市にある陵北病院に勤める歯科医師です。
病院では人生の最終段階といえる多くの方々の口腔ケアに関する業務を担当しています。今回は死生学と口腔ケアに関する研究の報告をさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。

1月11日(水)
冬季特別臨床倫理事例検討セミナー

1月18日(水)
「国立がん研究センターにおける臨床倫理プロジェクト
  田代 志門
  (国立がん研究センター 生命倫理研究室長)

〔発表者からいただいた自己紹介〕
現在、国立がん研究センターで生命倫理・医療倫理に関する教育・支援・研究を担当しています。
当センターでは2年前に生命倫理の部署が立ち上がり、まずは私一人で手探りの活動を続けてきました。
今回は過去2年間の取り組みの概要とともに、特に昨年から始まった臨床倫理の研究班の活動について紹介させて頂きます。
具体的には海外視察や事例検討会の開催を通じて見えてきた課題や方向を皆さんと共有し、今後日本の病院に臨床倫理の文化が根付くためには何が必要か、一緒に考えられればと思っています。

1月25日(水)
冬季特別臨床倫理事例検討セミナー
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