ブックタイトル東京大学文学部

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概要

東京大学文学部

東大文学部生がその問いに答え、日々の学びを通じて獲得したもの、成長する糧となった体験について語ります。自由で、学生の自主性を重んじる文学部の環境の中で、自ら選んだ道に邁進する二人の声をご紹介します。Why Faculty of Letters?フランス語フランス文学専修課程4年渡邉昂太さん入学前に研究したいテーマを決めていた私は早い時期から、大学の仏文へ進もうと固く決意していました。それは、モーリス・ブランショという作家に魅せられてしまったからです。分厚い本を読破することがカッコイイと思っていた私は、フロイトの精神分析から始まり、中学から高校にかけて思想・哲学関係の本を読みあさっていました。その中の一冊、ラカンについて書かれた本にブランショの引用があり、衝撃を受けたのが運命の出会いでした。ブランショは現代思想の潮流において高く評価されているので、哲学からアプローチする方法もあります。でも、私は第一に彼の語りが好きで、とにかくテクストと向き合う方が性に合っていると思い、仏文を選んだのです。学びながら進む道を選べるのが東大の特色なので、私のように入学前から絶対にこれがやりたい、という明確なテーマを持っている学生は少数派かもしれません。そこまでストイックな覚悟がなくて、ただ漠然と本を読むのが好きだ、という人でも文学部で学ぶうちに必ず面白いものが見つかるはずです。学生が好きで研究したいと望む対象について、否定されずに受け入れてもらえる自由な風土と環境が、東大文学部のいいところだと思います。留学生活で身に付いたグローバルな「度胸」大学生活で最も楽しく、刺激的だった経験がスイスのジュネーブ大学へ留学したことです。2015年の9月から翌年の7月まで、現地の学生と机を並べて同じ授業を受けました。当然、授業は全てフランス語なので、わからない単語を耳にするたびに辞書で引きながらの聴講です。留学生活の最も大きな収穫は、語学力や知識よりもヨーロッパ的なコミュニケーションに必要な反射神経が鍛えられたこと。日本で身につけるのは難しい「度胸」。いい意味での「ずぶとさ」です。トラブルもありましたが、日本に帰りたくない、このまま留学していたいと心から思いました。友人たちを部屋に呼んで、夜通しポーカーをしたり、年末に年越しソバを作ってふるまったり、日本にいるよりアクティブなキャンパスライフを満喫していたからです。本を読む時間が十分にあったので、卒論の準備を進められたのも留学の成果といえるでしょう。大切なのは価値を見出し、提示する力留学中にフランス語を母国語とする学生たちと交流するなかで、今の自分には到達できない領域を感じて劣等感を抱くこともありました。でも、文学という共通言語を通して向き合えば、対等に自分なりの考えや見方を伝えることができます。大学で先生や先輩と議論していても、自分が発言したことに価値があれば認めてもらえる。それは、自信に繋がっていきます。こうしたプロセスは文学部の研究に限らず、会社で仕事をする際にも応用できるでしょう。文学部の学びは、対象の普遍的な価値を見出し、提示する力を鍛えるからです。だから好きなことの研究が役に立つ、立たないという問いに意味はないと思います。とはいえ、日々難解な文学談義に明け暮れているわけではありません。仏文研究室はとてもフランクで合宿や飲み会が盛んです。国内外の研究者を招いたシンポジウムも頻繁に開催されるので、触発される機会にも恵まれています。ブランショはあまり人気がないため、その価値を広く世に知らしめたい。大学院へ進んで研究を重ね、納得できる修士論文を仕上げたいと考えています。仏文渡邉昂太さんの時間割(*3年次)レマン湖:ジュネーヴの象徴です。友人に誘われて湖岸をよく散歩しました。アルプス:留学中の旅行で訪れました。日本にはないスケールに痺れます。勉強:目下にらめっこを続けている相手です。本当に面白いんですよ!息抜き:エンタメも好き嫌いせずに嗜みます。この作品は何度観たか分かりません。Mon.Tue.Wed.Thu.Fri.1?????220世紀フランス詩文学理論19世紀フランス詩フランス語会話神話学3?シュルレアリスム小説20世紀フランス映画古仏語20世紀フランス日記文学419世紀フランス日記文学?日本文学『小説』史フランス語学19世紀フランス幻想小説5?????6?????29