ブックタイトル東京大学文学部

ページ
20/32

このページは 東京大学文学部 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

東京大学文学部

附属施設附属施設次世代人文学開発センター次世代人文学開発センターは人文社会系研究科に附設され、専修課程ではないため所属する学生はいません。研究プロジェクトを運営したり、複数分野にまたがる領域を研究したりすることを主たる業務としていま集英社寄付講座の公開講座創成部門の研究会すが、さまざまな授業を開講することで教育にも携わっています。3つの部門がありますので、それぞれについて紹介します。a.先端構想部門複数の専門領域にわたる研究、複数の地域文化を対象にする研究、あるいは諸地域間の文化交流の研究など、特に領域横断的で国際的な研究を行い、その研究成果を公開・発信していくことを目的とする部門です。文学部の専任教職員によるファカルティディベロップメントとしての研究懇談会を主催・運営し、その一部をウェブ上で公開しています。学部の授業としては、「文化交流演習」・「文化交流特殊講義」を開講しています。また、集英社高度教養寄付講座を設置し、後期教養教育の授業や公開講座を開いています。b.創成部門新しい研究分野を創成するためのプロジェクトの拠点となる部門です。現在は死生学・応用倫理センターとして別置されている組織も、以前はここにありました。2013年からは人文情報学拠点を設置し、日本における人文情報学(デジタルヒューマニティーズ)の構築、国際学会連合との関係形成を通して、日本の人文学の国際的な地位向上に貢献しています。具体的には、仏教の経典全集である大蔵経のデジタルテキストコーパスを基盤としつつ、京都大学人文科学研究所、国立情報学研究所、アメリカ、ドイツ等の諸大学研究所と連携し、文字資料による世界最先端のデジタル知識基盤のモデルを提供しています。学部の授業としては、「人文情報学概論」・「人文情報学特殊講義」を開講しています。c.萌芽部門次世代の人文学にとって必要な研究や、他大学との共同研究プロジェクトの東京大学における拠点として機能しています。2015年まではイスラーム地域研究、2016年までは演劇学研究分野、そして現代インド地域研究などで構成されてきました。演劇学では、日本の演劇・舞踊が形態資料・文字資料としていかなる文化的価値を持つのか、その特色はどこにあるのか、という研究を進め、文化資源学研究専攻に講座を持っていました。現代インド地域研究は、人間文化研究機構が推進する事業の一環として、京都大学、東京大学、広島大学、東京外国語大学、国立民族学博物館、龍谷大学の6大学に設置された拠点の一つとして、現代インドに関するネットワーク型の共同研究を推進しています。インドの経済と環境に関する基本的な資料や文献を収集・蓄積し、データベースを構築する作業を進め、それらをもとに、インド経済・環境の長期的な動向分析を行ってきました。附属施設死生学・応用倫理センター未来本研究科では2002年から2012年までCOEプロジェクト「死生学」を展開してきました。これは現代における死のあり方を通して人間の「生」をとらえ直す研究教育プロジェクトです。同時期、本研究科は全学に対して「応用倫理教育プログラム」を開講してきました。応用倫理というのは、科学と技術が様々な問題を生んできている現状に対峙し解決策を模索しようとする領域であり、生命倫理、環境倫理、技術死生学・応用倫理センター運営委員倫理、情報倫理、世代間倫理などの多様な分野を含みます。本研究科では、人文学の学知に基づきつつも、ディシプリンの垣根を越えて、現代的な状況に対応する新たな知を開拓してきたわけです。COEプロジェクトの終了を前に、その活動を更に継続的に発展させていくために「死生学・応用倫理センター」は設立されました。また寄付講座「上廣死生学・応用倫理講座」がセンターに付設されることになりました。私たちが構築しようとする「死生学」「応用倫理」は三つの核を持ちます。第一は、現代的な状況に積極的に関わっていく“臨床”的分野です。この分野から、私たちは今いかなる知が求められているかを知ることになります。但し、本当の意味で現代の諸問題を乗り越えるためには、人間存在の本質に関する深い洞察が必要であり、そのためには過去の人類の叡智に学ぶ必要が出てきます。それが第二の分野になります。現在の臨床現場への実践的関与死生の哲学と倫理に関する理論的考察視点刺激現在過去死生学・応用倫理の3つの柱第一の分野は第二の分野に刺激を与え、第二の分野は第一の分野に現状を正確に認識するための視点を与えます。しかし、それだけではまだ充分ではありません。第一の分野(現在)と第二の分野(過去)を踏まえた上で、では将来においてどうあるべきであるのか(未来)に昇華させる必要があります。つまり、現在と過去を踏まえた上で、人類の未来を哲学的に究明すること、それが私たちが目指す「死生学」と「応用倫理」になります。以上のような理念のもとで、「死生学・応用倫理センター」は、1東京大学全学の学部生・大学院生を対象とする「死生学・応用倫理教育プログラム」、2医療、看護、介護等の現場に携わる人々に人文知を提供する「臨床死生学リカレント教育」、3公開の国際シンポジウムなどの「国際的・社会的な発信」、4多様な分野の若手研究者を育成する「次世代研究者の支援育成」を行っています。昇華死生の文化の比較研究20