ブックタイトル東京大学文学部

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概要

東京大学文学部

専修課程社会文化社会学研究室社会学研究室は、明治時代から「社会」について研究をしています(当時は「世態学」という名前でした)。「社会」を研究するということはどういうことでしょうか。「社会」を意識する機会は日常あまりないかもしれません。しかし、友達関係、入学、卒業、就職、お葬式、選挙、犯罪、格差、街並み、塾、ネット、事故、ありとあらゆる局面に「よく考えると、なぜそうなっているかわからない不条理」があります。そういう「わからなさ」を、人間関係、家庭、学校、地域、会社、業界、国家など、様々な場で起こる「社会」現象として探究するのが社会学です。具体的には、探究の基礎を与える学説・理論、さらに家族、都市、地域、ジェンダー、セクシュアリティ、世代、人口、階層、社会意識、文化、計画、福祉、科学、技術、環境といったさまざまな領域が含まれます。社会学研究室は、そうした探究のための知的空間です。社会学研究室には文学部最大の200名近くの学生がいて、「社会」について様々な角度から探究を進めています。様々な問題関心を持つ学生が集まっているので、予想もしないような出会いもあり、楽しいキャンパスライフを過ごしている学生が多いのが特徴です。共同研究室には学生が交流する空間があり、多くの学生が日々情報交換や議論をしています。また、貴重な書籍、資料が揃っていますので、勉強する環境が整っており、学生も自主的に研究会などを開いています。授業はゼミ形式で行われます。ゼミというのは、高校の授業とは違い、学生同士が自分の頭で考えた意見を言い合い、先生と共に議論し、新たな視野や知見を得る、ということが中心になってきます(テーマはゼミごと、年度ごとによって変わってきます)。それぞれのゼミが夏休みには合宿に行ったり、コンパをしたりして交流を深めています。必修ではありませんが、社会調査実習という授業もあります。質問紙調査を行ったり、実際にフィールドに出かけてインタビュー調査を行ったりすることで、「社会」を肌で感じる貴重な体験となっています。また、ソウル大学社会学部と2年に1回国際ワークショップを重ねてきており、その都度英文の会議録を発行しています。卒業後の進路は、これまで新聞、放送、出版などマスコミ関係に3分の1程度の学生が就職していましたが、最近は金融やメーカーに就職する人や、国家公務員・地方公務員になる人も増えてきました。さらに学部卒業生の約1割程度は、大学院に進学し、研究者を目指します。クローネ会という同窓会組織を通じて、多彩なOB・OGとも交流が続いています。大学院では、アメリカ、フランス、中国、韓国などの国からやってきた留学生が、これまでさまざまなかたちで勉学しており、学問には国境のないことが感じられます。附属施設附属施設北海文化研究常呂実習施設北海文化研究常呂実習施設は、北海道の東部、オホーツク海沿いの北見市常呂町に位置する、文学部ではただ一つの学外施設です。最近、冬季スポーツ競技のカーリングでも注目された常呂町は、冬には流氷が押し寄せる極寒の地ですが、豊かな海産食料資源に恵まれており、史跡「常呂遺跡」をはじめとする大規模な先史文化の遺跡群が残る地域として知られています。これらの遺跡の発掘調査を、文学部の考古学研究室は半世紀以上にわたって継続してきました。当施設は竪穴住居跡の発掘調査(野外考古学実習)常呂資料陳列館遺跡調査の拠点として1973年に設置され、発掘調査の実習など、東北アジア考古学を主なテーマとする教育・研究を行っています。教員二名が常駐する小さな施設ですが、設備としては研究棟のほか、学生宿舎や博物館相当施設である「常呂資料陳列館」も併設されており、自然と文化の遺産に囲まれた環境のなか、蓄積された研究成果と資料を活かした体験型の教育プログラムが開講されています。文学部で考古学を専修する学部生は、当施設で開講される野外考古学の実習が必修科目となります。この実習では、学生宿舎に宿泊しながら一ヶ月にわたって遺跡の発掘調査に携わります。昼は発掘、夜はブリーフィングや地域との交流がおこなわれる濃密なプログラムが続きますが、研究環境や設備が充実した実習として国内外から評価を得ています。近年では海外の大学とも協力し、考古学を学ぶ学生同士が調査を共にしながら交流を図っています。発掘調査の実習に加えて、考古学専修以外の学生を対象とした教育プログラムも開講されています。文学部の学芸員養成課程科目として開講されている博物館学実習Aでは、資料陳列館に所蔵されている学史的に重要な考古資料を扱いながら、企画展の制作など、地域における博物館の活動を経験し、実践的に学ぶことができます。ほかにも、英・セインズベリー日本藝術研究所と協力した文学部夏期特別プログラムの後半部分や、全学の学生を対象とした体験活動プログラムが当施設にて開講されており、発掘調査をはじめとする考古学の研究や、博物館学芸員の活動を実地で体験できる場が用意されています。このように当施設では、文学部の学生はもとより、全学の学生に対しても開かれた教育プログラムが開講されていますので、北方の考古学、そして夏や冬の北海道に興味のある方は、ぜひプログラムに参加してみてください。18