ブックタイトル東京大学文学部_2018

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概要

東京大学文学部_2018

専修課程言語学研究室回曹叩言語学研究室は、明治19 (1886)年に帝国大学の文科大学に「博言学科」として開設されました。明治33 (1900)年には「言語学科」と改称し、現在に続いています。代々の教授は、日本語や琉球語の方言、アイヌ語、朝鮮半島、ヴェトナム、台湾、ユーラシア、アフリカの諸言語の現地調査に基づ<研究、インド・ヨーロッパ語(印欧語)比較言語学など文献に遺された言語の研究、意味論などの理論研究を行ってチェンバレン、ァイヌ語とユーカラを研究した金田一京助、印欧語比較言語学の高津春繁、音声学の服部四郎など、言語の様々な分野に亘ります。研究室所蔵の資料としては、小倉進平教授が収集した、十五世紀以降の朝鮮書籍から成る小倉文庫が知られます。現在の言語学研究室は教授、准教授、専任講師、助教各1名の教員を擁し、例年十数名の学部進学者と、数名の大学院進学者がいます。授業の大半は少人数で、六階の見晴らしのよい演習室で行われます。同じ階に学生室があり、学生は同級生と発表の打ち合わせをしたり、授業の合間にお茶を飲んで一休みしたり、壁を埋め尽くす諸言語の辞書で黙々と自習したりと、さまざまに利用しています。教員の研究室も隣接しているので、頻繁に顔を合わせます。授業の中には『音韻論』『形態論』『認知文法』などの特定の分野ゃ『文法関係』『アスペクト』といった特定のテーマについて学ぶもの、『エジプト語』『アイヌ語』のように言語を学びテクストを読解するもの、『演習』と呼ばれるゼミ形式の授業などがあります。代々の先生方が見守る教室当研究室で扱う分野は、音韻、音声、統語綸、形態論、意味論、比較言語学(歴史言語学)、社会言語学、言語情報処理、手話研究、フィールド言語学、古代言語の解読などです。言語学と聞くと、外国語マニアばかりの研究室を想像されるかも知れませんが、特別な能力は必要とせず、ゼロから言語学を学ぶことができます。学生は、教員の専門分野に縛られず自由にテーマを選ぶ伝統があり、卒業論文では、実験をする人、留学生などから言語調査をする人、地方を旅して消滅しそうな方言を調査する人、インターネットでの新語を研究する人など様々です。テーマが決まるまでは全教員から指導を受けてアイデアを磨いていきます。学部卒業生のおよそ三分のーが大学院に進学して研究を続け、半数以上は一般企業や官公庁に就職します。国語研究室化国語研究室では、その名の通り国語、つまり日本語の研究を行っています。日本語の研究はまず大き<現代語研究と歴史的研究とに分かれ、その上で音韻・表記・語羹・文法・文体・方言などのジャンルに分かれます。【現代語】例えば壁に掛かった時計が止まっているのに気付いたとき、「ぁ、時計が止まってる!!」とか「あ、時計止まってる!!」と言うことはできますが、「ぁ、時計は止まってる!!」とは言いません。ところが、「時計」に「あの」を付けてみますと、「ぁ、あの時計止まつてる!!」というように、「は」も「が」も使えなくなってしまいます。どうしてなんでしょうか?日本人は、無意識に日本語を使いこなせてしまうのですが、実はそれは「日本語の仕組みを知っている」ことを必ずしも意味しません。このような私たちが使っている日本語が持つ、私たちの知らない仕組みやルールについて、現代語研究は扱います。【歴史】中学高校で習う「古文」は日本語の歴史的な姿の一面で、平安時代中頃の日本語が基盤になっています。それが鎌倉・室町・江戸・明治大正と、時代を経て徐々に変化していった結果が、私たちが現在使っている日本語なのです。また奈良時代以前にも文字資料が残っておりその姿を窺うことができます。私たちが直に知らない時代の言葉の姿を探ること自体も興味深いですが、日本語がいかにして現在の姿になったか(一例を挙げれば、何故ハ行にだけ「半濁音」があるのか?)を考えるため‘研究室での演習中の風景にも歴史的研究は欠かせません。本研究室の学生たちはまず概論を受講して全体的な基礎知識を身に付けた上で、より専門的な講義や演習に参加して研究能力を高めながら、各自の関心に基づいて研究テーマを選んでレポートや論文を書きます。本研究室には現在四名の教員がおり、指導面で学生の幅広い関心に応えられるよう努めています。国語研究室には、日本語に関する研究書や、上代~近代に至る様々な史料の複製・翻刻などが大量に配架されていますが、それだけでなく平安時代から江戸・明治時代までに書写・出版された貴重な書物の現物も、大学機関としては日本有数の規模で備えています。ー方近年では日本語学の研究においてもCD-ROMやWeb上のデータベ一ス等がどんどん活用されるようになっています。そこで本研究室では、学生たちが右に江戸時代の板本を置き、左にはパソコンやタブレットを置いて調査・研究に勤しむといった風景が日常的に見られます。