イスラーム地域研究 第2班a
「理性と宗教」研究会のご案内

1.はじめに
今年度より標記の研究会を立ち上げます。この研究会は第2班aに所属する研究会と
して組織され、活動期間は平成12年度から13年度の2年間とします。

2.趣旨
第2班の全体的課題は「現代世界が抱える社会的、経済的課題を、歴史的視点を重視
しつつ研究すること」であり、グループaの研究テーマとしては、
(1)イスラームと民主化
(2)イスラーム政治思想における参加、人権、社会的公正
(3)イスラーム地域における社会運動の実態
(4)社会開発における宗教の役割
(5)社会開発と女性、少数民族
が挙げられています。そこで本研究会では、とくに(1)(2)の研究テーマを思想
史的観点から補足する試みとして、イスラームにおける「理性と宗教」の問題を取り
上げます。
より具体的なテーマや方法については参加者の関心や今後の議論を通じて自ずと明ら
かになるものと思いますが、さしあたっては主要な思想分野について、これまでの研
究を批判的に捉え直す作業が必要だと考えます。たとえば「理性」という概念自体、
いわゆる啓蒙期以降の西欧思想におけるそれとは大いに異なっているでしょうし、イ
スラーム内部でも学問・宗派・時代ごとにそれぞれの解釈があろうと思われます。ま
た「理性」と深く関わる概念として「自由」「意志」「正義」「合理主義」などがあ
りますが、これらについても同様のことが言えるでしょう。
本研究会では、これらの概念に関する文献をできるだけ多面的に読み進める作業を通
じて、従来ともすれば孤立的・断片的になされてきたイスラーム思想研究に俯瞰的・
比較論的な展望を与えたいと考えています。またそれによって、より広範な議論のた
めの土台づくりをしたいと考えています。

3.今後の活動予定
大まかな活動予定としては、
(ア)研究期間中、ふた月に1度ないし2度のペースで研究会を開く
(イ)平成13年11月に開催予定の国際ワークショップに参加する
(ウ)同年に予定されている和文および欧文の論文集に寄稿する
などがあり、それぞれ参加は自由です。
研究会では、まずFranz Rosenthal, The Muslim Concept of Freedom, Leiden,
Brill, 1960を通読し、その後に参加者の専攻分野に関わる文献を順次検討していく
予定です。

4.第1回研究会
日時:5月20日(土)、午後2時より
場所:東京学芸大学 人文科学系研究棟1号館
 東京都小金井市貫井北町4−1−1
(JR中央線武蔵小金井駅下車、京王バス小平団地行 学芸大正門前下車、または国分
寺駅下車 徒歩15分、建物の場所は正門脇の地図でご確認ください。)
テキスト:Franz Rosenthal, The Muslim Concept of Freedom, Leiden, Brill,
1960, pp.1-28.(本書は絶版になっております。参加者には事前にこちらからコピー
をお送りいたしますので、下記の連絡先までメールでお知らせください。)
報告者:垂井弘志
コメント:仁子寿晴

以上、「理性と宗教」研究会についてのご報告とご案内を申し上げました。ご理解と
ご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。
(文責 小林)

==================================
問い合わせ先:

東京学芸大学
小林 春夫
184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1
Tel.&Fax.042-329-7321(ダイアルイン)
e-mail:kobayash@u-gakugei.ac.jp
===================================