IAS 2-a「理性と宗教」研究会は去る5月20日に第1回の研究会を東京学芸大学に
て開催いたしました。
参加者は16名で、予定していたテキストF.Rosenthal, The Muslim Concept of
Freedom, pp.1-28を検討しました。
まず報告者の垂井弘志氏が、原典に基づいてテキスト中の誤訳ならびに疑問箇所を指
摘しつつ内容を紹介し、それを受けてコメンテーターの仁子寿晴氏(学振研究員)が
著者の紹介および哲学・神学的観点からの問題提起を行いました。
参加者は哲学・神学・スーフィズム・シーア派・文学・人類学・歴史学など多様な関
心をもっており、それぞれの分野で「自由(hurriyyah)」という概念がどのように論
じられているか、という点を中心に議論しました。第1回目ということで何か結論め
いたものが得られたわけではありませんし、思想史分野の議論が多かったため参加者
によっては消化不良を起こした人があったかもしれませんが、今後共同研究を進めて
いく上での地ならしにはなったと思います。予定時刻をオーバーして議論を途中で打
ち切らざるをえなかったのは残念でした。なお研究会終了後の懇親会でも有益な情報
交換がなされました。
次回は6月下旬を予定しておりますが、最終的なご案内は新プロ第2班のホームペー
ジでご確認ください。
参加希望は随時受け付けておりますので、今回参加されなかった方々も遠慮なく下記
の連絡先までお問い合わせください。(5月22日、文責:小林春夫)