「インドネシア民主化に関する研究会」第4回
(上智大学アジア文化研究所インドネシア研究会と合同)
[日時]11月19日(木)19:00〜21:00
[場所]上智大学(四谷)7号館11階第2会議室
[報告者]Totok Hari Wibowo
[タイトル]東インドネシアの開発
[その他]インドネシア語(通訳付き)

 国家開発企画庁(Bappenas)役人で、現在、東京大学の博士課程に在籍するTotok Hari Wibowo氏から、東インドネシアの開発について報告があった。東インドネシア地域は、もともとキリスト教徒の多い地域である。報告されたように、人口が希薄なため、西部インドネシアからのムスリムのトランスミグラシ(移住政策)に適していると考えられている。しかし(天然資源)開発やトランスミグラシに伴い、先住民と移住民、つまりキリスト教徒とムスリムの対立という問題も起きている。また国民統合のため、東インドネシアのイスラーム化も問題となっている。Totok氏の報告の内容は、以下の通りであった。
 東インドネシアは、カリマンタン、スラウェシ、東部諸島にまたがる13州からなっている。ここは、交通や通信の辺境性と、まばらな人口に特徴づけられる地域である。このような性格をもった東インドネシアにおいて、インドネシア国家(全体)の開発政策を推進するために、大統領指令に基づく東インドネシア開発会議(EIDC)が設立された。
・資源に富み、戦略的な成長の可能性を秘めること
・人口希薄な広大な地域故、人口過密の西部インドネシアからのトランスミグラ シに適していること
・公平な開発と国家統一
以上3点が、東インドネシア開発における戦略の骨子である。