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竹下政孝代表 
 このイスラーム地域研究プロジェクトの壮大な計画を見て特に印象に残ることが二つある。その一つはこの計画が5年間の長期に亘るということである。しかもその最後の年度は2001年、つまり21世紀の最初の年である(多くの人は2000年を21世紀の最初の年だと思っているようだが、正確には21世紀は2001年に始まる)。つまり、このプロジェクトは文字通り、20世紀の総括であると同時に、来るべき新世紀への展望となるものにしなければならない。

 もう一つはコンピューター・ネットワークを最大限に利用しているということである。若い研究者の間ではコンピューターを研究に利用することは常識である。私自身は残念ながらコンピューターを使っていないが、この5年間の間には是非マスターしたいと思っている。それでもまだコンピューターの購入をためらっているのは、コンピューターがテレビや自動車のような成熟した完成品ではなく、まだ進化、発展段階にある商品のように思われるからである。特に8年前にアメリカでパソコンを買って、十分に使いこなすまもなく、そのパソコンが古くて使いものにならなくなってしまうという失敗をしているので、どうしても慎重にならざるをえない。しかし、コンピューターが21世紀にも活躍するであろうことは間違いない。2001年にはミーティングなどもすべて実際に物理的に移動することなく、インターネットのテレビ電話で行うようになっているのであろうか。

 しかし欧米や日本で情報革命がますます進行していくのにたいして、中近東がその革命の波から取り残され、格差が拡がっていくように感じるのは私だけであろうか。欧米の情報は日本にいてもリアルタイムで入ってくるのに、中東の情報はあいかわらずコネと口こみが中心である。だからこそ、この新プロによって、中東諸国の研究者を出来るだけ多く日本に招待して、人的ネットワーク作りを行いたいと思う。


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