出張先 イギリス:ロンドン、イラン:テヘラン
日程 1997年9月10日 成田発(BA−008) 目的 『ホメイニー正伝』の翻訳作業に伴う、同書の英訳者および原著者との 打ち合せ 成果 ホメイニーの死去から既に8年余りが過ぎようとしているが、単なるプロパガンダではない学問的なホメイニー研究もイランで漸く本格化しようとしている。ところで、これまでイラン本国でも既に幾冊かのホメイニー伝が著わされている。そうした中で、堅実な資料分析を踏まえた研究としては、1990年にイスラーム文化指導省から第一版が出版されたモハンマド・ハサン・ラジャビー(Mohammad
Hasan Rajab そこで、今回の私の海外出張の基本的目的は以下の二点に設定された。まず、ロンドンではマーチン女史および、現在ホメイニー伝を執筆中のバーケル・モイーン(B またテヘランではイスラーム共和国国民図書館研究部次長の立場にあるラジャビー氏に再会する機会を得たが、筆者の質問箇所に快く答えてくれたのみならず、日本語版への序文も新に用意して頂いた。更に、氏の紹介により「エマーム・ホメイニー関係資料編集・出版研究所」をも訪れる幸運に恵まれた。同研究所は、テヘラン北部のニヤーバラーン地区にあったかつてのホメイニー師のテヘランでの居所に設立された研究所で、現在はハビービー博士、ベヘシュティー博士を中心に、ホメイニー関係文書の大々的収集作業を進めている。博士らの説明によれば、ホメイニー師自身の著作は言うに及ばず、ホメイニー師に関して書かれたものはペルシア語であれ、外国語であれすべて収集する予定とのことである。既にその成果は、ホメイニー師の著作を中心に同研究所より続々と刊行されている。また、数年後以内にはホメイニー伝の決定版の出版も計画されているという。 以上、僅か20日間の日程ではあったが、所期の目的は概ね達成され、『ホメイニー正伝』翻訳作業の完成・出版に向けての準備を順調に進めることが出来たのみならず、これを機に、ホメイニー師研究を皮切りにシーア派12イマーム派政治思想の分析に本格的に着手する確かな手応えを得たと思う。
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