視点依存効果(View dependent effect)

我々は,様々な視点から物体を観察し,視点の変化に伴って,物体の見え(網膜像)が変化します。人間の視覚システムは,こうした見えの変化があるにも関わらず,物体を認知しています。刺激提示Biederman(1987)は,日常的に観察するような物体(動物,乗り物,家具など)の表象が,ジオンと呼ばれる部分から構成され,物体の認知が,3次元構造記述にもとづいてなされると考えました。3次元構造記述とは,物体を構成するジオンとそれらの空間的配置関係の記述です。Biedermanは,物体の3次元構造記述が不変である限り,物体の認知は,視点非依存であると提唱しました。この理論では,ジオンが視点非依存であることを想定しています。したがって,もしジオンが視点依存であることが示されたならば,Biedermanの理論は否定されることになります。このデータベースでは,ジオンが視点に非依存かどうかを検討したHayward & Tarr(1997)の実験を再現しました。

実験手続き・データの分析について

刺激として,ジオン(第1刺激と第2刺激)が続けて提示されます。第1刺激と第2刺激の後にはマスク刺激が提示されます。第1刺激と第2刺激が同じジオンである場合には,見えが異なる場合があります。見えが違う場合は,第2刺激は,第1刺激を垂直軸を中心に45。回転させて作成されました。被験者の課題は,第1刺激と第2刺激が同じジオンかどうかを判断することです。見えの違いは無視して判断して下さい。同じと判断した場合は,スペースキーを押し,異なると判断した場合は,何も反応しないで下さい。制限時間は,第2刺激提示後1.5秒に設定されています。

典型的な結果の例実験は120試行からなります。実験終了後はブラウザのJavaコンソールを表示してデータを取り込んでください(使用マニュアル参照)。第1刺激と第2刺激が同じジオンであった試行に関して、平均反応時間を算出します。右図のように、2つの刺激の見えが同じ場合に比べて異なる場合の反応時間が長くなると思います。 この反応時間の増加がジオンの認知が視点依存であることを示しています。


参考文献
Biederman, I. (1987). Recognition-by-Components: A Theory of Human Image Understanding.Psychological Review, 94, 2, 115-147.

Hayward, W. G. & Tarr, M. J. (1997). Testing Conditions for view invairint in object recognition.Journal of Experimantal Psychology: Human Perception and Performance, 23, 1151-1521.

視点依存効果の実験を体験する




データベースのトップへ

トップページへ